2020 Fiscal Year Research-status Report
協調学習における学習者の非言語動作と協調性の関係解明に関する研究
Project/Area Number |
19K03095
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
渡邊 栄治 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (20220866)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾関 孝史 福山大学, 工学部, 教授 (40299300)
小濱 剛 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (90295577)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 協同学習 / 時系列モデル / 階層型ニューラルネットワーク / 非言語動作 / 荷重係数値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,協調学習において,学習者の非言語動作 (視線や顔の動き) と協調性の関係を明確にすることである.具体的な研究目的は,(a) 非言語動作の検出手法の構築,(b) 非言語動作に対する時系列モデルの構築,(c) 「時系列モデルにおけるパラメータ」と「アンケートに基づいた協調性」の関係解明である. 申請書に記載した2020年度の研究計画通り,まず,検出された学習者の非言語動作 (瞬き,視線,顔の向き) の特徴を定量的に把握するために,階層型ニューラルネットワークにより学習者相互の非言語動作に対する時系列モデルを構築した.つぎに,構築された時系列モデルにおける荷重係数値に着目することにより,学習者の非言語動作の特徴 (話す/聞く動作の割合など) を抽出した.また,構築された時系列モデルにおける荷重係数値に基づいて,学習者間の関係を評価するための手法を構築した.さらに,上記の手法を (a) ビデオ講義を受講した後の協同学習 (教え合いや質疑応答) 環境,(b) 対面講義における協同学習 (共同で問題解決,協同でレポートを作成) 環境に適用した. 実験結果より,学習環境 (a) に対して,学習者の非言語動作 (瞬き,視線,顔の向き) から,質問の多い学習者,回答の多い学習者,質疑応答を静観している学習者を検出することが可能であった.また,学習環境 (b) において,講師の説明を聞く,手元の資料を見る,他の学習者に顔を向けるなどの動作を把握することが可能であり,各学習者の動作に基づいて各学習グループの包括的な状況を把握することが可能となった.さらに,時系列モデルにおける荷重係数値に基づいて,学習者間の関係の強さを評価することが可能であることを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の研究目的「検出された学習者の非言語動作 (瞬き,視線,顔の向き)の特徴を定量的に把握するために,階層型ニューラルネットワークにより非言語動作に対する時系列モデルを構築する」ことに対して,2 件の対外発表を行っている.
|
Strategy for Future Research Activity |
申請時の計画通り,2021年度は,「学習者の非言語動作と協調性の関係を明確にする」ことを研究目的として本研究を遂行する.具体的には,2020年度に構築した時系列モデルにおける荷重係数値と「学習者に対するアンケート (協調性に関する評価)」の関係を照合することにより,学習者の非言語動作と協調性の関係を明確にする.
|
Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により,出張旅費の支出が 0 となり予算執行に支障が生じた.2021 年度は,オンラインによる協同学習やアンケートを行う必要があり,研究環境の増強に充てる.
|