2019 Fiscal Year Research-status Report
拡散的思考の支援を基盤としたアーギュメント生成を促進する学習環境の開発
Project/Area Number |
19K03097
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
西森 章子 広島修道大学, 人文学部, 准教授 (50294012)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 根拠産出トレーニング / 裏づけ発想トレーニング / 思考支援 / ICT環境 / 大学生 / アーギュメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の核心をなす問いとして,「学習者の拡散的思考(発想)を促進する学習環境とは何か」「PCを中心とする学習環境によって学習者間の思考の共有は可能か」がある。このうち,前者の問いに答えるために,拡散的思考を促す問題がどのように提示されるか(提示様式)とその結果として生成される発想(拡散的思考)の関連性を検討することが必要である。また,この関連性を検討することは,教室場面でどのような学習環境が適切かを判断するためにも重要な手がかりとなる(Ackerman & Goldsmith 2011など)。 2019年度は,前者の問いに対応するべく,学習環境の開発が進められた。具体的には,すでに開発された教材コンテンツ「根拠産出トレーニング」及び「裏づけ発想トレーニング」を基盤に,PCを中心とする学習環境の開発が進められた。具体的には,アプリケーションの開発に向けて,近隣の研究者及び研究施設(広島市立大学大学院情報科学研究科コンピュータデザイン研究室)とコンテンツの共有およびアプリケーション化の可能性について検討がおこなわれた。このとき,トレーニング教材における問題の提示や例(根拠の例や裏づけの例)の提示など,情報提示には問題はないものの,学習者による拡散的思考の結果(実際に発想された根拠や裏づけそのもの)をどのように記述させ,それをデータ化するかという点に問題があることから,検討に時間を要している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コンテンツとなる問題数,提示イメージ(問題→産出→参照)はすでにできているが,学習者による拡散的思考の結果(実際に発想された根拠や裏づけそのもの)をどのように記述させ,それをデータ化するかという点が不十分であり,アプリケーション開発についての検討を十分に進めることができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
検討を迅速に進めると同時に,パワーポイントを使用したプロトタイプを開発し,大学生を対象とした個人実験(予備実験)をおこなう。これにより,産出される根拠の量や質について,紙を中心とした学習環境との比較検討をおこなうことができる。
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Causes of Carryover |
アプリケーション開発の検討が十分に進まない状態で,各種機器を発注すると,不十分な学習環境を生成することになると考えた。2020年度に個人実験を実施し,そのデータを蓄積するために,2020年度において物品費及びデータ集計のための人件費として,使用する計画である。
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