2023 Fiscal Year Research-status Report
拡散的思考の支援を基盤としたアーギュメント生成を促進する学習環境の開発
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19K03097
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
西森 章子 広島修道大学, 人文学部, 教授 (50294012)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 根拠産出トレーニング / 裏づけ発想トレーニング / 思考支援 / ICT環境 / LMS / 大学生 / アーギュメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の核心をなす問いとして「学習者の拡散的思考(発想)を促進する学習環境とはどのようなものか」がある。このとき、拡散的思考を促す問題がどのように提示されるか(提示様式)と、その問題を承けて学習者は自らの思考をどのように記述するのか(アウトプットの方法)、結果として記述された思考はどの程度の量となるのか、またどのような質にあるのかを検討する必要がある。 2023年度は、これまでは「ある主張」に基づく「理由(根拠)」を考えるように求めることから、問題を変化させた。具体的には「ある意見」に対する「裏づけ」を考える問題とし、提示様式(紙ベース)・アウトプット方法(筆記)での発想について大学生120名を対象として、データ収集をおこなった。一般的に発想するのがより困難とされる「裏づけ」に焦点を当てたのは、いわゆる「主張(○○するべきだと考える)→理由(なぜなら○○だからだ)」といった意見の叙述に学習者が十分に対応できていると判断されたためである。 その他2023年度は、提示様式(PCベース)・アウトプット方法(タイピング)での発想を促す学習環境として、学習管理システム(LMS)に基づく学習環境の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大については収束したものの、対象とする学習者(主に大学生)の確保が非常に困難な状態が続いた。同様に、学外との研究交流、特に対面状況での打ち合わせや研究内容の検討が十分にできなかったことから、進捗状況としては遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
学習管理システム(LMS)に基づく学習環境については準備が進んでいることから、PC環境(モニタ提示・タイピング)及びタブレット端末環境(モニタ提示・タッチペンによる筆記)での調査が実現できると考える。特に少人数の学習者を対象として、拡散的思考(発想)がどのように促進されるのかの観察とデータ収集をおこなうこととする。
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Causes of Carryover |
コンテンツは完成しているものの、それを対象者に提示する学習環境の構築が十分進んでいない状態で、各種機器を発注することができなかった。また、対象者を集める形での実験が進められなかったことや、学外出張が困難であったことも、次年度使用額が生じた理由である。2024年度は機器購入の物品費及びテキストデータを入力・集計するための人件費として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)