2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of support tool to understand the Kansei of different cultures using impression evaluation and image analysis
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19K03101
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Research Institution | Kyoto College of Economics |
Principal Investigator |
森崎 巧一 京都経済短期大学, 経営情報学科, 教授 (30405724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郭 潔蓉 東京未来大学, モチベーション行動科学部, 教授 (70601326)
小路 真木子 京都経済短期大学, 経営情報学科, 教授 (90300251)
高木 亜有子 湘北短期大学, その他部局等, 准教授 (20369466)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 印象評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで行ってきた感性研究の手法を応用し、各国の人々の感性的な文化交流を支援するためのツールの実現を目指している。本年度は、海外でも多くの人々に注目され、かつ評価の高い日本のサブカルチャー・コンテンツを取り上げ、その基礎調査として、漫画やアニメ及びそれらに登場するキャラクターを対象にした日本国内での意識調査と印象語収集調査を実施した。本調査は、アンケート調査会社を通して全国的な規模で調査を行い、10代から70代までの男女合計1022人の回答データを得ることが出来た。今回の意識調査では、日本の漫画やアニメに対する興味度について調査した結果、漫画・アニメともに興味があると回答した人は半数を超え、これらのコンテンツに対する関心がある程度高いことが分かった。また、印象語収集調査では、漫画・アニメのキャラクターに対する印象語として約1700語が集められた。収集された語彙を精査し、重複する言葉や同意語を纏め、キャラクターを印象評価するための代表的な印象語として20語を厳選した。 これらの調査と並行して、印象語収集ツールおよび印象評価アンケートツールの開発も行った。ツールはWebアプリケーションとして開発され、インターネットを通じてPCやスマートフォンから効率的にデータを収集できる。回答結果はデータベースに保存され、管理画面から回答状況の確認、集計、ダウンロードなどが行える。上記のアンケート調査会社による調査とは別に、この印象語収集ツールを用いてアンケート調査(好きな漫画・アニメのキャラクター及びそのキャラクターに対する印象語を収集する調査)を行ったところ、回答数は約400、印象語は約500種類を収集することができた。印象評価用のツールについては、印象評価入力機能と印象語の追加収集機能が完成し、あとは使用するキャラクター画像の選定が済めば利用できる段階になっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度の研究計画では、印象評価の本調査が完了し、最終目標となるツールの完成を目標としていたが、そこに到達することは叶わなかった。大きな理由としては、コロナ禍により、本研究に携わる各メンバーの研究にかけられる時間が減少し、また、メンバーの諸事情が重なって研究が停滞する時期もあったため、開発や調査がそれほど進められなかったことが挙げられる。さらには、コロナ感染拡大の影響で、国内外、特に海外での調査にも支障が出ており、実施が大変難しく、仮にアンケート調査が実施できたとしても少数のデータ回収しかできない可能性や、アンケート調査費用も通常より高額になる可能性が出てきており、本研究を遂行する上で苦慮しているところである。より安価かつ効果的にアンケート調査を行っていく方法を早急に検討していく必要がある。 また、ツール開発においては、印象語収集や印象評価のアンケートツールの開発に力点が置かれ、それらに時間がかかりすぎてしまった。特に印象評価アンケートツールについては、評価に適したキャラクター画像は何か、かつ、著作権の問題がクリアできるかの検討段階で停滞している。その結果、肝心の画像解析や異文化感性理解支援ツールの開発にまで着手できなかった。特に画像解析については、前研究からの延長として円検出等のツールの改良は継続されており、分担者によって研究成果の発表も行われたが、これまで扱ってきた画像解析の手法に限界を感じる部分もあり、新たな手法への展開が望まれる。加えて、コロナ禍における学会の開催の中止や延期が影響し、研究発表の機会を獲得することが非常に難しかったため、成果があまり出なかったことも問題である。したがって、研究発表等の環境改善が見込まれる次年度は、より多くの成果を発表していくことを予定する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、意識調査の対象を海外に広げて実施することを計画している。その際、大きな課題となっているのが調査にかかる経費の圧縮である。アンケート調査を安価かつ効率的に行っていくために、目下、MTurkなどのクラウドソーシングサービスの利用の可能性を検討しているところである。また、意識調査では、印象評価の調査のように特殊なプログラムを組み込んで行う必要がないため、できるだけ費用が掛からない汎用的なシステムの活用を検討したいと考えている。例えば、今後の意識調査などでは、Google社が提供している無料ツールの「Googleフォーム」を活用して、迅速にアンケートデータの回収を行えるようにしたいと考えている。さらに、意識調査の結果は、口頭発表及び論文等で研究成果を発表する予定である。 一方、ツール開発では、画像解析においてディープラーニングの活用を検討している。画像解析を担当する分担者は、ディープラーニングの講習に参加するなど、既に新たなツール開発に向けて活動を始めている。今後は、ディープラーニングを用いた画像解析ツールの開発や印象分析支援などへの展開を検討したい。実際の解析に向けては、教師用データとして適切なキャラクター画像を大量に用意する必要があるため、画像の入手方法についても並行して検討を進める。背景のないキャラクター設定画のようなものが利用できれば処理が楽になると考えているが、無料で利用できるとは限らないため、入手元については幅広い可能性を検討していきたい。 加えて、印象評価アンケートツールの開発においては、調査対象言語の多言語化を図っていく必要がある。当初の研究計画では、日本語以外に、中国語、英語、フランス語などへの対応を予定していたので、これを着実に遂行していきたい。また、多言語化の実施に当たっては、通訳者や言語学者の協力を得ながら進めることを計画している。
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Causes of Carryover |
当初予定していたPC等機材購入をせず研究を進めた(次年度購入予定)。コロナ禍により学会参加はオンラインとなり、旅費が不要であった。
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Remarks |
キャラクター印象評価アンケートはまだ開発中です。
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Research Products
(4 results)