2019 Fiscal Year Research-status Report
集団の学習履歴を基に支援するものづくり協働学習ファシリテーションシステムの開発
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19K03102
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
千田 和範 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (30342562)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 協調学習 / 問題解決型学習 / 教育機関連携 / ICT利用 / 遠隔学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,様々な教育機関において,課題の発見と解決に向けた主体的・協働的に学ぶ学習が取り入れられてきている.本研究では,複数校や複数クラスで授業や実験を同時展開することでクラス単位では得られなかった学習の広がりを目指し,小学校向け理科教育用グループ学習プログラムを実施した.これまでの研究で生徒の実験記録の時系列化を行うことで,グループ学習の知識の伝播過程が明らかになると同時に,効果的なアドバイスを与えられる可能性があることが分かっている.それと同時に,実施校までの距離が離れていると訪問回数などが制限され,試行錯誤過程で効果的なアドバイスをすることが困難となることも確認している.そこで本研究では,まず生徒の実験過程を記録するICT型支援機器を開発した.特に,実験に集中してしまうと実験過程の記録を失念しがちとなるため,実験結果を入力することで,その後の検討が容易になる情報提示機能を付加してある.これによって,指導側が必要となる実験情報を効率的に収集できる仕組みを実現した.また協働学習を促すために,2軸マトリクス表形式を元にした実験結果分類表を導入した.これによって,マトリクス上に現れるクラスターの共通項を検討することで,生徒は内在される条件を容易に発見することができるようになった.最後に,ICT型支援機器によって収集した実験データをネットワーク経由で学習プログラム統括担当に送信することで,生徒の取組進度や傾向を把握することが可能となった.同時に送信されたデータを元に,アドバイス案をまとめ,現地の小学校教諭に伝えることで,現地での指導も効果的に行えることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で記載したように,現在順調に進行しているといえる.ただ,年度末に予定していた研究会参加がコロナ禍によって中止となったため,今後はコロナの影響も考慮する必要があると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度のICT支援機器運用において,一部データの取りこぼしが発生した可能性がある.今年度はまずデータロス対策を行ってから,今年度計画のデータを元にした支援情報の生成について検討を進める.ただし,コロナ禍の影響で実際の遠隔地にある教育機関での運用は難しくなると考えている.そこで今年度はダミーデータの利用など,実運用に近い形での評価も行う必要があると考えている.
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で発表を計画していた研究会が中止となったため,出張費として計上していた分が残っています.
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Research Products
(2 results)