2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of students' global competence by scientific inquiry of river environment
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19K03113
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
真山 茂樹 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (40199914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 宏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10282691)
加藤 和弘 放送大学, 教養学部, 教授 (60242161)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 河川環境学習 / グローバルコンピテンス / 科学的探求 / 珪藻 / 水質問題 / 水生昆虫 / シミュレーション / 博物館標本 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本、インド、米国の中等教育の生徒に対し授業を実施し、3国間での意見交換を含めてグローバルコンピテンスの育成状況を実証し、さらにドイツ、ブラジルから河川環境の資料を収集し、これらの国においても授業を実施する予定であったが、昨年同様、コロナパンデミックのため渡航ができず、細部にわたる授業の打ち合わせができないため、本年度も意見交換は断念した。また、国内の学校における授業も、協力校がコロナウィルス禍における通常授業のやりくりで手狭であり、長期にわたり授業実践が困難であった。令和4年に入り、ようやく国内の1学校にて、少人数(5名)のクラスで4回の授業を実施することができた。 従来の研究では、インドの生徒は授業後に河川環境改善に対し、具体的な行動プランを示せるが、日本の生徒の多くは具体性を欠くことがわかっていた。このため、本年度実施した授業では3つの改善策を追加的に導入した。 一つめは、過去100年にわたる多摩川の流域人口密度のデータを使用した河川水質のシミュレーションを、SimRiverを用いて生徒が行うことであった。これにより、実際の川の環境変化の具体的イメージの増強を図ると共に、処理技術の限界と、その打破のためのイノベーションの必要性を学ぶことで河川環境学習に対する動機付けの強化を図った。二つめは、インドの河川環境と人々の暮らしを伝える、最新のウェブニュース動画を見ることであった。これにより、環境悪化の背景をより深く学ぶことを図った。三つ目は、日本の河川環境を改善するために、国、地方自治体、市民、企業、NPOなどが実施したことを調べる学習である。 これらの学習を加えることにより、日本の生徒も環境改善に対し、具体的な行動プランを立案することができるようになった。 また、河川水質を理解するための補助教材であるMushiRiver(河川産底生無脊椎動物を4つの異なる水質から探索するゲーム)について解説論文を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度同様、令和3年度も世界的なコロナウィルス蔓延のため、海外渡航ができず、予定していた海外での授業や河川の資料の収集ができなかった。また、国内においても、通常のクラス人数規模での複数の学校あるいはクラスでの授業も実施できなかった。このため、令和3年度は、生徒による環境改善のための現実味のあるアクションプランを引き出すための教材開発と教授法の開発がメインとなり、授業も1月になり、ようやく5名のクラスで実施するに留まった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、世界におけるコロナウィルスが収束に向かえば、インド、アメリカにて授業を実施すると共に、これらの国およびヨーロッパ、南米の国から教材となる資料を収集する予定である。しかし、現時点においてコロナウィルスの収束時期は依然として予測が困難である。このため、最悪の事態を想定して、現在、国内の複数学校において授業を実施し、その過程でインターネットを利用して生徒間での意見交換を行う準備を開始している。これは、当初の研究予定でも、国際間の意見交換はインターネットを介して実施する予定であったが、それを国内間での実施に置き換えたものである。依然として予断は許せない状況ではあるが、可能な限り研究課題に沿う形で推進できるよう努力したい。
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Causes of Carryover |
令和3年度は令和2年度同様に、コロナウィルスパンデミックにより予定していた海外渡航による研究ができなかったため。
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Research Products
(5 results)