• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2019 Fiscal Year Research-status Report

「日常の科学コミュニケーション」が変化する局面の多角的分析

Research Project

Project/Area Number 19K03116
Research InstitutionToyohashi University of Technology

Principal Investigator

相田 慎  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60345957)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 箕輪 はるか  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60372976)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2024-03-31
Keywords東日本大震災 / 原発事故 / 科学コミュニケーション / リスクコミュニケーション / 社会言語学 / 社会的相互行為 / ナラティブ / 新型コロナウイルス感染症
Outline of Annual Research Achievements

研究代表者・相田と研究分担者・箕輪は、平成26年3月より、いわき市の知人らと共に「科学コミュニケーションの交流活動」を実践している。その活動拠点を「(有)ネクストホームモデルルーム」(福島県いわき市仁井田町)とし、他法人より無償貸与された微量放射能測定装置を設置している。そして、我々研究者と市民との交流場面を、活動拠点やいわき市内外各所において動画撮影し、記録してきた。
(原発事故のような)科学リスクは、「人によって見解が異なる切実な問題」であり、「語ることへの躊躇い」があったと予想される。そこで、本研究課題では、日常会話に表出する科学リスクの話題を「日常の科学コミュニケーション」と捉え、「日常の話題」から「科学リスクの話題」へ遷移する場面を獲得し、その分析を行う。
令和元年度は、9月・11月にいわき市を訪れ、「日常の科学コミュニケーション」場面を獲得するために、日常会話を収録するフィールドワークを実施した。
また、相田は、平成27年度のいわき市内の小学校でのフィールドワークによって得た動画「(放射線の専門家である)講師・箕輪による放射線についての講演会での質疑応答場面(対象は小学4~6年生・保護者)」に関して、ELAN(動画内の言語・非言語情報に詳細にアノテーション付与出来るソフトウェア)を用いて、動画から言語・非言語情報のトランスクリプトを作成し、その場面のナラティブ(語り)を分析した。そして、その分析・考察結果を、書籍『ナラティブ研究の可能性 ― 語りが写し出す社会』(ひつじ書房)の論文「いわき市内の小学校における講演「放射線のおはなし」―「質疑応答」から見えること」としてまとめた。本書籍は、年度内に刊行される予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初は、9月・11月・翌年3月に3回のフィールドワーク実施によって、様々な状況での日常会話動画の撮影をする予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症による活動制限の影響で、2020年3月のフィールドワークは中止となった。ただし、9月・11月のフィールドワークによって、10場面程度の日常会話の動画撮影は出来ている。また、「日常の科学コミュニケーション」に関する書籍用論文の執筆を終えた。

以上の理由により、進捗状況として「(2) おおむね順調に進展している」を選択した。

Strategy for Future Research Activity

(1) これまでどおり、引き続き研究活動と平行して、科学コミュニケーションの交流活動を協働する。また、平成26年度以降のフィールドワークにより得られた出前授業・談話会・日常会話などのマルチモーダルデータ(撮影動画・録音音声)の分析作業を行う。
(2) 新型コロナウイルス感染症は、現在、世界中で関心が寄せられている新しい科学リスクである。そこで、本研究課題では、「原発事故に関する日常会話」だけでなく、「新型コロナウイルスに関する日常会話」の収録も試みる。特に、それら2つの異なるリスクについての日常会話を比較することによって、「日常の科学コミュニケーション」におけるナラティブ(語り)の共通点や相違を明らかにする。
(3) 広く社会・学会発表・論文投稿等、様々な方法で外部へのアウトリーチを行い、その際の反応を、交流活動に随時フィードバックする。但し、得られたデータは、リスクに関するセンシティブデータを含むため、インフォーマントとの協議の上、公表は慎重に行う必要がある。

Causes of Carryover

3月参加予定の学会、ならびにフィールドワークが、新型コロナウイルス感染症による活動制限によって中止になったため。

URL: 

Published: 2021-01-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi