2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a practical child education program to alleviate fear of insects and foster awareness of symbiotic coexistence with diverse living creatures
Project/Area Number |
19K03118
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
藤崎 亜由子 奈良教育大学, 学校教育講座, 准教授 (50411690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 美佳 和泉短期大学, その他部局等, 助教 (50597143) [Withdrawn]
山下 久美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 准教授 (80410158)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 虫遊び / 保育内容「環境」 / 嫌悪感 / 保育者養成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幼児期における自然教育の意義を「多様な生きものとの共存・共生」という視点から探求するとともに、「園庭の自然との出会いを創出する保育」の実現にむけた保育実践プログラムと教材の開発を目的としている。特に、子どもが自然と出会うためのインタフェースとしての「保育者」に注目するとともに、自然と出会うための入り口かつ妨げともなる「虫」の存在に注目した。追求する研究課題とそのプロセスは大きく以下の3つに分けられる。A. 虫への苦手意識の緩和プロセスの解明、B. 保育者と子どもたちが園庭で共に学べる保育実践プログラムと教材の開発と評価、C. 虫との共存・共生意識尺度の開発。 2023年度には、まずAについては、保育者への質問紙調査から虫嫌いを緩和する要因分析を行い、「虫好きの子どもたちとの出会い」をあげる保育者の割合が8割を超えていた。「虫と関わることで子どもたちが成長していく姿をみたこと」が次に多く選択されており、子どもの存在が大きく影響していることが示された。さらに、実習前後での変化を捉えるために保育者養成校の学生に場面設定法によるインタビュー調査を行い、実習前に比べて虫と関わる子どもに共感的な言葉かけを行うことを示した。Bについては、保育者養成校での虫体験のプログラムを実施し、縦断的な分析を行った。その結果、虫の存在に気づいたり知識が増えるなどの変化を報告する学生は多い一方で、虫が怖くなくなった、好きになった、触れるようになったという変化は少なく、継続した支援が必要であることが示された。C. 虫との共存・共生意識について、開発した尺度を用いて、保育者ならびに保育者養成校の学生へ調査を実施し、現在分析を行っている。
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