2019 Fiscal Year Research-status Report
Theorizing Teaching Experience and Evaluation of Its Application to Improving
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19K03119
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
御園 真史 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (60467040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雄貴 東京理科大学, 教育支援機構, 准教授 (50570090)
下村 岳人 島根大学, 学術研究院教育学系, 講師 (90782508)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 算数・数学教育 / 教師教育 / インストラクショナルデザイン / 授業研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
新学習指導要領において主体的・対話的で深い学びを実現することを目指し,授業を改善していくことが求められている.しかし,教師が授業改善にどの程度積極的に関与するかは,個々の教員によって大きく異なる.本研究では,これを解決する基盤的な研究として,ティーチング・エクスペリエンス(TX)の概念を確立し,TXの違いにより,教師の授業改善への取組にどのように影響するかを検討するものである. TXの理論化は,インストラクショナル・デザイン(ID)の分野において,ラーニング・エクスペリエンス(LX)が注目されており,それを参考にする.また,本研究では,特に算数・数学の授業改善を中心に検討を行っていくものである. Parrish & Wilson(2008)がLXで学習経験の段階を6段階で示したように,TXも数段階からなる基準により示すことを想定しており,現場の教員の算数・数学の授業観察およびインタビュー調査のほか,質問紙調査を組み合わせることにより,質的データ,量的データの両面から教師の授業へのエンゲージメントの違いを示す段階を作成することを計画している. 今年度は,TXに関する質問紙を開発した.また,協力校に対して迅速にフィードバックができるよう,データベースの構築を試みた.これに関係し,学会等で情報収集を行うとともに,2件の学会発表を行った.今回は,教員養成段階でのTXについて特に,検討し,学習指導案の作成との関係,および,教材研究および数学観との関連をみるために数学的モデリング活動との関係の検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画にはなかった,回答結果を蓄積するデータベースの整備を行った.これにより,調査協力校に対するフィードバックを迅速にお返しすることができ,成果を自校の教員研修に活かすことが可能となる.また,予定通り,調査協力校での授業観察を行った. また,現場に出た段階と,教員養成段階でのTXに違いがあることが議論に上がったため,教員養成段階でのTXの検討も行った.
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Strategy for Future Research Activity |
データを蓄積する基盤が完成しつつあるので,今後は,サンプルサイズを増やして検討することが課題である.一方,新型コロナウィルスの問題から,学校現場に直接お伺いすることが難しいこと,および,長期間の休校措置により授業が遅れ気味であり,そういった状況下で,思うように研究が進展しないことも想定されるため,計画をさらに見直す必要もあると考えられる. また,初年得たデータなどをもとに,さらに研究発表等を重ねていく予定である.
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Causes of Carryover |
「人件費・謝金」が当初予定より少なくなったため,次年度使用額が生じた.作業用PCが不調になったため,PC等の購入経費にあてる予定である.
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Research Products
(4 results)