2021 Fiscal Year Research-status Report
希少種の野生復帰を実施・計画する自治体におけるESD課題の析出と体系化の試み
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19K03121
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
本田 裕子 大正大学, 社会共生学部, 准教授 (00583816)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コウノトリ / 野生復帰 / 住民意識 / 兵庫県豊岡市 / 島根県雲南市 / 茨城県神栖市 / webアンケート調査 / 郵送アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により現地調査を実施できない状況であったため、これまで実施した調査のデータ分析・整理を行うこととした。特に、コウノトリの野生復帰の事例について、複数自治体での回答の比較や、調査手法による回答の違いについて検討し、考察を行った。 複数自治体の回答の比較では具体的に、兵庫県豊岡市、島根県雲南市、茨城県神栖市で実施した市民へのアンケート調査の結果を比較した。コウノトリを地域資源と見なすには野外繁殖が数年間成功することが前提になるという示唆が得られた。「環境のバロメータ」として住民から受け入れられること、野外繁殖が数年間成功していくことで地域資源とする捉え方になると期待されることもわかった。現在、コウノトリの野外繁殖は各地で成功しており、今後さまざまな自治体で「コウノトリとの共生」を考えていくことが必要であり、そのためには「環境のバロメータ」としての捉え方が必要であることが示唆されたので、引き続き環境教育の役割について検討していきたい。 調査手法による回答の違いについて具体的には、兵庫県豊岡市の市民を対象としたアンケート調査を、郵送で実施したもの、web(インターネット)で実施したものを比較した。web調査は郵送調査よりも肯定的な割合は低かったが、郵送調査と同様にコウノトリの「地域資源としての捉え方」がコウノトリおよび野生復帰への肯定的な認識の要因として示されていた。回答者の属性については違いもあるが、今後web調査の利点を活用する可能性を見いだすことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、現地調査を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に実施できなかった現地調査を新型コロナウイルスの状況を見つつ、実施する。なお、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、現地調査を実施できない場合には2021年度に検討を行ったwebアンケート調査を改めて実施することも視野に入れて、研究をまとめていく作業を行いたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により現地調査を実施できなかったため、次年度に繰り越す形となった。次年度は主に兵庫県豊岡市を中心としたコウノトリの野生復帰に関係する自治体への現地調査を行い、これまでの研究をまとめていく作業を行いたい。
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Research Products
(3 results)