2020 Fiscal Year Research-status Report
高校新科目「理数探究」のためのプログラム開発と探究活動の生徒及び教員への効果
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19K03142
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
廣谷 博史 大阪教育大学, 教育学部, 理事 (70218858)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 理数探究 / 探求活動 / STEAM教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、コロナウイルス感染症のため、学校が長期間休校となった。学年途中から学校は再開し授業は始まったが、当初は学校の教室や机の消毒などで教員の手間が取られるなどしたため、生徒へのアンケート調査は断念した。教員のアンケート調査についても、勤務形態が変則的になるとともに、オンライン授業の準備を始めとする生徒への対応業務が増える中での、アンケート調査がもたらす負担増と正常な授業が行われていない中での意識調査の意義を考え、アンケートの質問項目の検討のみを行い、実施は断念した。 そのため、本年度は探究活動で活用し得る教材の開発を行った。環境水の中に含まれるバクテリオファージを定量して、環境汚染の指標として探究活動に活用することを着想した。基礎的な微生物取り扱いの訓練を受けていない高校生が、実験環境として整備が不完全な学校の理科室で実験できるよう、また消耗品の経済性を考慮しながら再現性のある実験を可能とすることができるよう、培地成分濃度と寒天濃度などを始めとする実験条件について検討を行った。また、微生物実験で必須とされる無菌条件下の実験を、特別な設備がない学校現場で行うことを想定し、コンタミネーションの可能性の有無と回避策の検討と検証を行った。以上結果、マニュアルとして提供可能な実験条件を設定することができた。また、設備がない場所での微生物実験の実施について、マニュアルの作成に着手することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、コロナウイルス感染症のため、学校が長期間休校となる時期もあるとともに、学校再開後もオンライン授業の対応など、学校現場は非常に混乱した。学校現場の教員と生徒を対象とする本研究は、そのような状態の学校にさらに負担をかけることになりかねない上に、正常な状態でない学校から得られたデータは普遍的なものではない恐れがある。そのため、本年度は、学校現場からは離れ、教材の作成のみに専念した。そのため、学校現場から得られる相違であった成果の部分について、やや遅れが生じていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も学校が正常な状態に戻り次第、教員と生徒のアンケート調査を続け、データを得る予定である。探究的活動が当初の想定よりも、現場に浸透し、活動が盛んになっている。そのため、探究的活動の普及や実施の後押し的な成果よりも、実際に行われている活動の評価を重視する方向に研究のシフトを考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は、コロナウイルス感染症のため、学校が長期間休校となるなど、学校現場の調査を中心とする本研究は実施できないことが多かった。そのため、次年度使用額が生じた。次年度以降は、学校の状況が戻り次第、アンケート調査を実施するとともに、探究活動に必要な機材の調達にも活用して、十分な成果が出るように努めたい。
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