2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K03148
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
小杉 健太郎 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (70380376)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 化学教育 / 化学教育教材 / 科学教育教材 / 実験教材 / 分光実験教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、物理化学的な物質理解の一例を、分光実験やSTEM教育的な活動を通して学習者に体験させられる教材の開発を目指している。教材を用いての将来的な教育実践によって、物理学に基づいて化学を理解することの面白さを学習者に気付かせることや、化学学習に対するモチベーションの向上、進路選択への好影響をもたらすことを視野に入れてのものである。 令和元年度は、化学反応速度論に関する教材用実験で使用する紫外可視領域用小型分光器の測定ソフトウェアの開発・改良に取り組み、指定波長における吸光度の時間変化を算出・表示する機能等を従前のソフトウェアに追加した。 令和2年度は、小型ラマン分光器を用いる実験環境の整備を行った。既製のラマンプローブ等を導入し、十分な強度の信号が得られることを確認した。その後、分光器メーカー製作の汎用ドライバーパッケージとLabVIEWを用いて、露光時間・積算回数の設定やデータの保存・表示等の基本的機能をもつラマン分光用の測定ソフトウェアを作製した。 令和3年度には、前年度に作成したラマン分光用ソフトウェアの改良に取り組み、スペクトルの重ね書き表示機能や、水のOH伸縮振動領域を複数のガウス型関数でフィッティングする簡単な解析機能等を追加した。また、測定ソフトウェアを作製する活動を教材に取り入れるために、ラマン分光用ソフトウェアをサブルーチンに分割することも行った。この結果、サブルーチンと基本的なプログラミング要素(Whileループ等)を組み合わせてのラマン分光用ソフトウェアの構築が可能になった。学習者に比較的短時間で無理なく測定ソフトウェアのプログラミングをさせられるSTEM教材の作製に技術的な見通しが立ったと考えている。この成果を、第71回理科教育学会全国大会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度末から続く新型コロナウィルス感染症感染拡大によって、令和2年度と令和3年度の研究遂行に大きな影響があった。このような状況の中で、分光実験教材の実験に必要な実験機材の整備と測定ソフトウェアの作製を概ね完了することができた。また、現段階の教材用ラマン測定ソフトウェアがサブルーチンを組み合わせて短時間で構築可能になったことで、測定ソフトウェアの作製過程の教材化に技術的な目途が立った。しかし、測定実験の詳細や解析・考察内容はまだ確定しておらず、令和4年度に取り組むことになった。 以上を総合して、現在までの達成度を「やや遅れている」と自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
分光実験を中心とするSTEM教育的な教材を実施可能なものとして完成させることに注力する。実験手順や解析内容を具体化する段階での測定ソフトウェアの改良は必要最小限に留めて、まずは大学1年生を対象とする学生実験の授業で実用可能な段階に到達することを目指す。学習者自身がサブルーチンを組み合わせて測定ソフトウェアを作成するSTEM教育的活動については、教材用実験で使用する測定ソフトウェアと完全に同一のものを作製することに拘らないことにする。つまり、令和4年度の研究によって教材に用いる測定ソフトウェアに変更が生じても、プログラミング教材には令和3年度までに作成したものを使用することで、効率的に教材開発研究全体を進める。
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Causes of Carryover |
今回次年度使用額が生じたのは、学会発表がオンライン形式であったために旅費の支出がなかったこと、及び物品費が想定を若干下回ったことによるものである。 この次年度使用額は、別予算と合算するなどして、本課題研究での実験教材開発に必要な試薬や少額の物品の購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)