2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K03148
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
小杉 健太郎 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (70380376)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 化学教育 / 化学教育教材 / 科学教育教材 / 実験教材 / 分光実験教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
分光実験やSTEM教育的な活動を通して、物理化学的な観点から物質を理解することを体験させられるような教材の開発研究を行っている。令和5年度には、実験システムを無線LAN経由で学習者のノートパソコン(学習者側パソコン)から制御する機能拡張に取り組んだ。 コロナ禍をきっかけにして、小中高等学校や大学でも学習者が専用のノートパソコンを持参して活用することが普通に行われるようになった。このような教育環境の急速な変化を実験教材による学習の効果・効率の向上につなげるため、学習者側パソコンから無線LAN経由で実験装置にアクセスすることで、測定の開始・停止やデータ取得が行えるように実験システムを拡張した。実験システムの中心部分は、ラマンスペクトル用と紫外可視スペクトル用の小型分光器、及びこれらと接続したノートパソコン(装置側パソコン)上で動作する測定用ソフトウェアである。令和4年度までにLabVIEWで作成した測定用ソフトウェアでは、画面上のボタンをクリックすることで測定開始等の動作をコントロールするだけであったが、これを他のソフトウェアによっても行えるように機能の追加を行った。また、装置側パソコン上で測定ソフトウェアとともに動作し、測定ソフトウェアの動作モードを変更できるWebサービスをLabVIEWによって作成した。さらに、装置側パソコンと同じWi-fiルーターに接続しているノートパソコン(学習者側パソコン)から、装置側パソコンのLabVIEWサーバ・WebサービスにアクセスするExcelシートをVBAで作成した。このExcelシート上には、装置の動作をコントロールするボタンやスペクトル表示用のグラフが配置されており、学習者が自分のパソコンから測定の開始・停止・データの取得が行えることが可能となった。これらの成果は、令和6年3月の理科教育学会オンライン全国大会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題研究期間と新型コロナウィルス感染症感染拡大期間が重複したため、研究遂行に大きな影響があったが、令和4年度までに分光実験教材用の測定・解析ソフトウェアを基本的には完成させるとともに、データ解析ソフトウェアをビジュアルプログラミングによって作製する過程を教材に組み入れる研究も行った。さらに従来から研究を進めていたWi-fi機能をもつマイコンボードを用いて作成した簡易測定装置とパソコン・タブレットPC上で動作するソフトウェアを併用する測定実験の完成度も向上した。令和5年度には、計画を修正して、教材用実験システムを無線LAN経由で学習者のパソコンから制御する機能の拡張に取り組んだ。この結果,分光器等の装置が1組しかない場合でも,これを無線LANによって共有して、学習者各自が自分のパソコンを用いて測定の実行とデータの取得を行うことが可能となった。大学などにおけるICT環境の整備を、実験教材による教育効果・効率の向上につなげるための有意義なものであると考えている。令和6年度には、教材用の実験内容の検討に取り組む予定である。 以上を総合して、現在までの達成度を「やや遅れている」と自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画した研究内容のうち、分光実験に関する技術的な課題はほぼクリアしたと考えている。令和5年度に当初計画を修正して進めた研究によって、分光実験をマイコンボードやプログラミングを活用する科学教育教材と組み合わせる実験教材の可能性が広がった。このような展開を踏まえて、令和6年度はよりフレキシブルに思考して、必要に応じて随時計画を微修正しながら、分光実験を中心とするSTEM教育的な教材の完成度を向上させる所存である。令和6年度後期に大学1年生対象を対象とする試行実施が可能な段階に到達することを最優先する。
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Causes of Carryover |
今回次年度使用額が生じたのは、物品や試薬の新規購入の必要性が無く、学会発表がオンライン形式であったために旅費も必要なかったためである。 この次年度使用額は、別予算と合算するなどして、本課題研究での実験教材開発に必要な試薬や少額の物品の購入に充てる予定である。
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