2020 Fiscal Year Research-status Report
進化の理解に基づいた「生物の共通性と多様性」の見方ができる教員の養成に関する研究
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19K03150
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
山野井 貴浩 白鴎大学, 教育学部, 准教授 (40567187)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 進化 / 教員養成 / 経験の絶滅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現職教員や教員養成課程の大学生の進化に関する知識や進化の受容の度合いが、進化の単元の授業の充実や、進化以外の単元における進化の視点での授業実施へと繋がるかを明らかにすることを、主な目的としている。上記の目的に基づき、2020年度は5都府県の高等学校生物教員41名と中高の理科教員志望の大学1~3年生142名に質問紙調査を行った。その結果、高等学校生物教員は大学生に比べて、進化に関する受容や知識の得点が高いことが明らかとなった。また、「生物(4単位)」における進化の授業の充実度は低かったものの、その得点には進化に関する知識よりも進化の受容の方が関係していることが示唆された。進化の受容の度合いは、「生物基礎(2単位)」の生態学に関する単元の進化の視点を取り入れた授業の実施にも影響していることが示唆された。多くの教員は進化の単元については観察・実験教材が不足していると認識していることも明らかとなった。 本研究は自然との繋がりの認識の減衰を防ぐための教育の在り方の検討も目的としており、2019年度の研究結果を踏まえ、小中高時代の飼育体験が大学生の自然との繋がりの認識に与える影響を調査するため、大学生259名を対象に質問紙調査を行った。その結果、小学校時代の自然体験の頻度が自然との繋がりの認識に最も関係していたものの、小学校における動物飼育体験(ウサギ、カブトムシやクワガタ)も自然との繋がりの認識と関係していることが示唆された。 本研究に関連するテーマとして、中学生の遺伝に関する認識調査の結果、および保育士の虫嫌いの状況に関する調査結果を学術論文として公表した。また、小学生の子どもを持つ母親を対象に外遊びに関する認識調査を行った。現在、結果を分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響もあり質問紙調査の依頼や実施が予定通り進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
進化に関する知識や進化の受容の度合いが進化の単元の授業の充実や進化以外の単元における進化の視点での授業実施へと繋がるかを明らかにする高等学校教員対象の質問紙調査に関して、対象者数を増やし前述の傾向が同様に見られるのかを確認する。またその結果について、学会発表を行う予定である。 教員養成課程の学生を対象に、植物の種名に関する認識を持続させる活動の要素の分析を行う。また、同じく学生を対象に、自然との繋がりの認識を高める活動の要素の分析も行う。
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Research Products
(5 results)