2020 Fiscal Year Research-status Report
我が国の中等教育における国際科学教育の評価と今後の方向性の考察
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19K03180
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田中 博 立命館大学, 教職研究科, 准教授 (40802153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 未来 立命館大学, 国際教育推進機構, 教授 (70377761)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 科学教育 / 国際教育 / 国際科学フェア / スーパーサイエンスハイスクール / オンライン教育 / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「我が国の中等教育における国際科学教育の評価と今後の方向性の考察」をテーマに、以下の2点について明らかにすることを目的としている。 ①これまで立命館高校で取り組んできた国際科学教育について、国際科学フェアの開催を中心にその評価を行い、成果と課題を確認する。 ②海外での国際科学教育の実態を明らかにする。とりわけ、海外校で開催されている科学フェアを調査し、より効果的な国際科学フェアのあり方について検討する。 2020年度の取組は、当初、2019年度に実施した卒業生調査の分析を行うとともに、海外で実施される国際科学フェアの調査継続を計画していた。しかしながら、予期せぬコロナ禍の影響で、立命館高校でのJapan Super Science Fair(JSSF)を含め、世界中の国際科学フェアはこれまで通りに実施することができない状況に直面した。立命館高校においては、JSSFをオンラインで実施することになり、調査予定をしていた海外での国際科学フェアも多くがオンラインでの実施に切り替えられた。オンラインでのフェアを経験することで、これまでになかったオンラインでの科学教育の可能性を感じることとなり、新たにオンライン国際科学フェアについても研究対象として、調査、研究を行うこととした。オンラインによる企画は、対面での交流が行えないための代替企画というだけでなく、対面交流と組み合わせることによって、より大きな可能性を科学教育に与えるものであると考える。 同時に、研究の背景について、これまで立命館高校が取り組んできた国際科学教育の経緯と内容、海外での科学教育の状況等をまとめることを実施し、本研究の最終年度のまとめに向けての準備とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響を受け、立命館高校で過去17回開催してきたJapan Super Science Fair(JSSF)についても通常の開催が行えず、オンラインでの開催に向けて協力を行った。その開催を通して、多くのことを学び、新しい科学教育への可能性を大いに感じることとなった。そこで得た成果について、次の2本の論文にまとめて発表した。 「オンラインによる国際科学交流の取組とその成果」 「高校生のための国際科学フェア開催に向けた汎用的オンラインプラットフォームの構築」 また、本研究の背景として、これまで立命館高校が取り組んできた国際科学教育の経緯と内容、海外での科学教育の状況等を冊子「Science Fairで活躍する高校生 ~立命館高校SSHで目指してきた国際科学教育~」にまとめた。日本の国際科学教育の普及、発展のためにこの冊子を関係各所へ配布する計画である。 この1年間を通して、研究分担者や研究協力者との意見交換のための議論を十分に行うことができ、この後の研究成果に期待が持てる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究指定期間の最終年度である2021年度は以下の内容に取り組み、我が国の新しい科学教育の方向性をまとめ、さらに今後の課題を明確にすることを目指す。 ①本研究で行ってきた卒業生調査の内容を分析し、国際科学フェアによる教育効果についてまとめる。 ②海外で開催されている国際科学フェアの担当者を集めて、それぞれのフェアの取組について意見交換する国際シンポジウムをオンラインで開催し、そこで得た成果をまとめて普及を目指す。 ③オンラインでの国際科学フェアの開催について、研究を深め、対面での国際科学フェアとオンラインのフェアの効果的な連携について研究を進める。 ④国際科学フェアによる教育の今後の方向性についての意見をまとめ、我が国の国際科学教育の普及、発展に役立てる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受け、海外視察、及び、国内旅費として見積もっていた金額を使用しなかった。研究対象としてオンラインによる国際科学教育を取り扱うことになり、そのために必要な備品に利用したが、結果としてこれだけの金額が残ることになった。 次年度、今年行えなかった海外視察や、シンポジウムの報告書等に費用を使用するとともに、これまでの研究成果を書籍として出版することを考えており、その費用に充てたい。
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Research Products
(3 results)