2020 Fiscal Year Research-status Report
センサー用微弱非接触給電装置を用いた電磁・静電誘導現象の教材開発と学習効果の検証
Project/Area Number |
19K03182
|
Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
長洲 正浩 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 教授 (20222177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆藤 新一 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (70185700)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 非接触電力取得 / 電磁誘導 / 静電誘導 / インバータ制御装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
実測評価をするための評価装置2台を製作するとともに、シミュレーション評価のためのトランスモデルの構築を進めた。 電磁誘導方式では、(1)2次側の巻数を増やすと、開放時の出力電圧は増加するが取得電流を増加させると急減し、得られる最大電力はほぼ同じ結果となった。また、1次側の巻数を増やすと、巻数の増加に応じて取得電力が増加した。これらのことから、PWMインバーターのスイッチング時に発生する1次側の高周波成分の電流がコア内に作る磁束量で取得電力がほぼ決まることが明らかとなった。(2)理論的解析と実測評価を行いトランスモデルの構築を行った。本研究では数利用して周波数モデルも作成した。その結果、理論値と評価値はよく一致した。ただし,巻数を増やすと線間容量の影響が顕在化して相互インダクタンスが低下した。これらのことから、2次側の巻数は20から30回程度が良いことが明らかになった。 静電誘導方式では、(1)電力の取得部をモータ側にしたほうが電力が大きくなった。また,インバータとモーター間の配線が長くなるほど取得電力が増加することが明らかになった。これは電圧反射による電圧振動が増加することに起因していた。(2)静電誘導方式は被覆されたモーター配線に金属を巻きつけて静電容量を構築して、配線間の電圧変動により戦艦に流れる電流で発電する。このことから、本方式は定電流電源動作であることが明らかになった。効率よく電力を得るためには、電流のエネルギーを電圧に変換する方式を構築する必要があることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
評価装置の制作はほぼ予定通りに進んだ。その一方で新型コロナの影響で半年間遠隔授業となったことから、卒業研究や特別研究の進捗が遅れ、実測結果の解析のため評価が不十分となった。 静電誘導方式では、インバータとモータ間の配線長が長くなると、モーター端での給電量が増加することが実測により確認できた。この現象は、インバータのスイッチング時の電圧変化が急峻であることから、配線が伝送路として機能することによると推測され、その検証も並行して進めている。また、本方式は、定電流源として機能することも明らかになり、受電電力を有効に活用するには、高効率に電圧源に変換する方式を考案する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナの感染状況により研究の進捗が止まる可能性があるが、現在は対面での授業が行われているため、研究活動は順調に進むと考えている。 その一方で、モーター配線の伝送路としての解析、静電誘導方式の電流源ー電圧源変換方式については、新たな課題となっている。これらの課題に対しては、シミュレーションを活用することで解決していく予定である。
|
Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナの問題により、当初予定していた旅費の執行が発生しなかった。この費用は2021年度に使用する予定である。
|