2023 Fiscal Year Annual Research Report
センサー用微弱非接触給電装置を用いた電磁・静電誘導現象の教材開発と学習効果の検証
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19K03182
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
長洲 正浩 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 教授 (20222177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆藤 新一 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (70185700)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電磁誘導 / 静電誘導 / 非接触給電 / 伝送回路 / インバータ制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
電磁現象や静電現象を利用してインバータで制御されたモーター配線から非接触で電力を取り出す研究を進めている。本方式には、電磁誘導方式、静電誘導方式および2方式を並列接続した統合方式がある。取得電力は次のようにすることで増加することが明らかになっている。1)モーター配線は長い方が良い。2)電力を取得する装置の設置場所は、電磁誘導方式はインバータ端、静電誘導方式はモーター端が良い。3)静電誘導方式では、変圧器を挿入して電圧を電流に変換する電圧電流変換方式とすることが良い。 2023年度は、高電圧で動作する鉄道用のインバータに適用したときの取得電力の変化、および統合方式について研究を進めた。 鉄道で使用されるモータ配線は、これまで使用してきた電気機器用ビニル絶縁電線(KIV)に比べ、インダクタンス成分が大きく、線間容量が小さいことから、特性インピーダンスが、KIV線の120Ωに対し、100Ωと小さくなることが明らかになった。その結果、配線間に流れる高周波電流成分が増加し、電磁誘導方式の取得電力は約20%増加した。 誘導電動機の周波数特性から高周波モデルを算定するとともに、鉄道用のモーター配線の特性インピーダンス(100Ω)を用いて、線間電圧を300Vから1500Vに変化させたときの取得電力の変化をミュレーションで検討した。その結果、1)電磁誘導方式の取得電力は、電圧の大きさには依存せず、電圧変化率dv/dtの2乗で増加する、2)静電誘導方式では関係が逆になり、電圧変化率dv/dtには依存せず、線間電圧の2乗で増加することが明らかになった。 統合方式では、両方式の取得電力を加算した電力を取り出せることが明らかになった。また、静電誘導方式では、モーター配線から電力を取得する取得コンデンサとインダクタンスを直列に接続した共振方式とすることで、取得電力が向上することも明らかになった。
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