2020 Fiscal Year Research-status Report
中等教育理科における「課題の設定」に着目した学習プログラム及び評価方法の研究
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19K03186
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
野内 頼一 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (00741696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 克治 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10284449)
後藤 顕一 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (50549368)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高校 / 化学 / 探究 / 課題の設定 / 学習プログラム / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究分担者や研究協力者とともに,化学基礎や化学における探究の過程を踏まえた授業を構築して実践した。特に,「課題の設定」や「検証計画の立案」のプロセスに焦点を当てて授業を構築して実践し,生徒の変容を見取ることとした。 佐賀県立A高等学校の実践では,塩の水溶液の性質を題材として自然事象に対する気付きから課題を設定し,グループ協議を通して「なぜ」を明らかにすることで理解を深め,次の課題へと繋いでいく探究の過程をデザインした。 大分県において,九州地区における授業実践委員会を開催し,今までデザインした授業を他の先生方に実践してもらい,その状況を共有した。様々な高校における実践を持ち寄り協議することで,探究の過程を踏まえた授業を構築するために必要な要素,特に「課題の設定」や「検証計画の立案」に必要な要素を検討した。 青森県立B高等学校の実践では,「陽イオンのなりやすさは電圧を測定して比較すれば,何の金属であるかを決められるのではないだろうか」という課題を設定して,自ら検証計画を立案して,課題を解決していく授業をデザインして実施するとともに,授業後のルーブリック評価について検討した。 北海道立C高等学校の実践では,反応速度に影響を与える要因を予想させ,それを確かめるための実験を計画して実験を行う授業をデザインして実施した。生徒が自分たちで立てた仮説を検証する方法を考えるという,探究の過程を踏まえることで,生徒が見通しをもって実験に取り組むことができたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者や研究協力者の先生方を委員として専門委員会を組織して,探究の過程を踏まえた授業,特に課題の設定や検証計画の立案に焦点を当てた授業を構築して実践しその状況を協議した。コロナ感染予防の観点から,参集しての研究協議は大分県立高田高等学校での開催のみであったが,メール等で連絡を取り合い,理科教育学会にて研究成果を発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで研究を推進してきた研究協力者の先生方(大分県,佐賀県,島根県,茨城県,北海道等)を中心に各々の地域で授業実践検討委員会を発足する予定であるが,コロナ感染予防の観点から,ズーム等による授業デザインの検討を充実させる方向も検討する。
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Causes of Carryover |
研究協力者が相互に授業を参観して研究協議を行う機会がコロナ感染予防対策の状況により減少しており,次年度に多く実施する予定である。
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