2021 Fiscal Year Research-status Report
個別科学技術分野(音分野)および科学的な方法に関する市民科学リテラシーの調査
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19K03187
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
網野 加苗 科学警察研究所, 法科学第四部, 主任研究官 (70630698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
程島 奈緒 東海大学, 情報通信学部, 准教授 (40453609)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 市民科学リテラシー / 科学的な方法 / 個別科学技術分野 / リテラシー調査 / 批判的思考 / 音響教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の学会発表時に頂いた意見を反映させて,調査票を完成させた.調査票は,参加者属性,興味のある分野,日頃の行動や態度,科学に関する考え方,諸分野に対するイメージ,科学全般の知識と音分野の知識,科学的方法に関する知識の質問で構成される. 大学生を対象とした予備調査を経て,インターネット上で20代~70代の男女720名を対象に調査を実施した.興味のある分野,日頃の行動や態度,科学に関する考え方の質問のうち,音に関する質問を除く41問の回答について因子分析を行ったところ,5つの因子を抽出することができた.それら5つの因子(好奇心,論理的・合理的判断,実用的な情報の収集,権威の受容,盲信)と科学全般の知識,音分野の知識,科学的方法の知識の成績について相関を調べたところ,好奇心,権威の受容の各因子と科学全般の知識の成績の間,権威の受容因子と音分野の知識の成績,科学的方法の知識の成績の間に弱い正の相関が見られた. 科学全般の知識の質問では,正答率が7割以上のもの(喫煙は肺がんをもたらすなど)と3割未満のもの(抗生物質はウイルスにも効果があるなど)があり,ばらつきが大きかった.これは,2011年の文部科学省の調査結果でも見られた傾向である.また,音分野の質問においても正答率が高いもの(音速と光速の比較など)と低いもの(音の高さは周波数に関係するなど)が見られた. 上記調査票による調査のほか,今年度は大学生が作成する実験計画書が,科学的方法に関する明示的な教育を行う前後でどのように変化するか(しないか)を調べた.課題の発見,仮説の設定,従属変数と独立変数,因果関係,フィッシャーの3原則などの説明を聞いた後に提出された実験計画書には,根拠に基づく記述が増える,仮説・目的を意識した章立てになる,方法や条件の記述が具体的になるなどの変化が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初はインターネット調査に並行して,郵送調査を実施する計画だったが,委託先が決定できず,実施できなかった.また,主な学会の会期と公務が重なったため,結果の発表ができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も主な学会の会期と公務が重なることが決まっているため,誌上発表を目指して結果を論文にまとめる.
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Causes of Carryover |
郵送調査の委託先が決まらず,実施できなかったために未使用額が生じた.次年度再度執行を試みる.また,成果発表に要する費用として支出する.
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