2019 Fiscal Year Research-status Report
Implementation of a psychological empowerment improvement program focused on overcoming adultism
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19K03199
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
高橋 尚也 立正大学, 心理学部, 准教授 (10581374)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Adultism / エンパワメント / コミュニティ / 地域活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度・2020年度は、本研究の基盤フェーズと位置づけ、Adultism概念の理論的整理と、日本におけるAdultismシナリオ閲覧によるAdultism認知を探索的に検討することであった。2019年度には、2つの調査研究を実施した。 第1は、日本の地域活動経験者200名と未経験者200名とを対象にミシガン大学の研究者らが作成したAdultismシナリオを閲覧させ、Adultism認知の程度を測定した。その結果、地域活動経験者では、Adultismを含むシナリと非Adultismシナリオの両方で ポジティブ評価が高く、Adultismに対するポジティブな評価と行政への関心や満足度・社会的活動の高さが正の相関を示していた。他方、地域活動未経験者では、Adultism評価と地域や行政に関する変数との相関がみられなかった。このことから、地域活動参加者においてAdultismに関する感受性が低い可能性が示唆された。 第2は、青年のAdultism認知を把握する調査を実施した。大学生250名を対象に調査を行った結果、非Adultismシナリオをポジティブにとらえる程度と寛容性や一般的信頼との関連が見出された。第1・第2の調査結果より、Adultismの認知は成人より青年の方が感受性が高いことが示唆され、今後Adultismに注目して研究を推進していくことの妥当性が示されたと言える。 また、研究が順調に進行し、日韓の青年でAdultis認知を比較するための調査研究も計画中で、調査票の翻訳まで完成していたものの、実施はCOVID-19の感染拡大に伴い見合わせの状態となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
日本における調査研究2つが終了し、研究が順調に進行したため、日韓の青年でAdultis認知を比較するための調査研究も計画中で、調査票の翻訳まで完成していたため。ただし、実施はCOVID-19の感染拡大に伴い見合わせの状態となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、本研究の基盤フェーズのまとめとして、Adultismシナリオの英語版の翻訳によるわかりにくさを解消するために、日本におけるAdultismの実例を探索し、理論的・実践的検討を進めていく必要がある。また、探索された実例をもとにAdultismとして検出可能か否か、すなわち、ツールとしての利用可能性を検討していく必要がある。 また、欧米各国で実施されている若者や地域のエンパワメントプログラムの翻訳作業を進めていく必要がある。
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Causes of Carryover |
国内学会が都内で開催され旅費が安価に済んだことと、青年調査を業務委託ではなく、集合調査法を関東地方と中国地方で実施できたため、支出を抑えることができた。また、COVID-19の影響で、韓国調査が見合わせ状態となっていることも支出減の一因である。
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