2021 Fiscal Year Annual Research Report
言いっ放しのリスクコミュニケーションに喝!現場のリスコミ行動の検証と改善策の提唱
Project/Area Number |
19K03202
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
金川 智惠 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (70194884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石盛 真徳 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (70340453)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リスクコミュニケーション / ストレス / 同調傾向 / コミュニティコミットメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、リスクコミュニケーションの第一線の担い手たる保健師のリスコミ行動の、実態把握と問題点の析出、その改善策の提案をリスクコミュニケーター養成プログラムの作成を通じ現場に提唱することであった。初年度は実態把握と問題点の析出を、研究2年目はウェブ調査研究を行なった。ウェブ調査はコロナ禍の保健師業務の実態から現場調査を断念せざるを得なかったため、またcovid-19リスクの深刻さから、covid-19もリスク対象として実施した(最初の緊急事態宣言発出後と2回目の発出後の2度にわたるパネル調査。1回目調査対象者1,800名、2回目600名)。 政府の記者会見におけるメッセージ伝達の評価および一般市民のメディアリテラシーが、人々のリスク認知および緊急事態宣言中の感染予防行動、行動自粛、ストレスにどのような関連性を持つのかについて相関分析を行った。メディアリテラシーとマスコミ報道受容は、同様にリスク認知を高める要因として機能していたが、実際の感染予防行動と行動自粛を高めているのはメディアリテラシーだけであった。コロナ禍において無批判にマスコミの報道を受け入れ、単純化した情報を欲しがる傾向が高いとリスク認知とストレスを生じさせるだけで感染対策行動にはつながらないが、メディアリテラシーの高さは、高められたリスク認知を通じて感染対策へ導かれていた。 2021年は研究成果の一部を日本グループダイナミックス学会第67回会大会で発表した。またコミュニティの影響について、地域との関りを重視している、或いは実際に地域で交流しているなどの地域へのコミットメントの強い個人は、コロナ禍でより強いストレスを感じる傾向にあることが見出したが、これらの分析は相関分析が主体であったため、現在、共分散構造分析により、コミュニティへのコミットメントとリスク対処行動との関係性について因果モデルを分析中である。
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