2022 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャル・メディアは社会を分断するのか:態度の動態的理論とDSITからの検討
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19K03203
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
森尾 博昭 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80361559)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CMC / ダイナミック社会的インパクト理論 / インターネット / 態度変容 / ソーシャル・メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年2月にロシアがウクライナに侵略を開始し、「情報戦」と称したデマの流布によるプロパガンダがロシア政府により積極的に行われており、これに対応してソーシャル・メディアにおいて多くの人々が様々な意見を表明しはじめた。新型コロナウイルスとワクチン、ウクライナ侵略という一見関連性のない社会的事象に対して、支持者が重なっている、すなわち見掛け上の相関関係が生じているという研究報告もあるため、このインターネット上の社会的相互作用を取り上げることとした。ミクロレベルでの個人の情報処理はソーシャル・メディアでの情報収集と情報発信であり、マクロレベルでの集団における群化が結果として生じるとすれば、その間には関連が見られるはずである。個人の意見の斉一化とDSITの予測する集団の群化について検討する。 2022年度は、ロシアやウクライナといったキーワードをもとに日本で行われたアンケート調査の結果を確認し、それぞれの国に対する態度、ウクライナに対する様々な支援、避難民の受け入れ、ロシアへの経済制裁といった様々な論点を整理した。これらの論点は日本の安全保障のあり方や外交の方針とも密接に関わり、関連性を持ち、有機的に連合している。 同時に、大学生を研究参加者とした実験室実験を行うための準備も引き続き行った。研究パラダイムとして用いるマウス・パラダイムをオープン・プラットフォームで実装するため、先行研究で用いられたプログラムを元に、実験条件の実装や測定の精度の確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Twitter社のAPIの利用に関する方針が変更されたため、従来の手法を用いることができなくなった。そのため、新たな手法について検討中である。また、世界的なコロナ・ウイルスの蔓延により、海外の協力者と現地で連携することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
学術的な研究目的でTwitter社のAPIの利用を行うための円滑な手法について検討を続ける。また、海外出張に関するコロナ・ウイルスの影響が軽微となったため、今まで控えてきた海外出張を行う。マウス・パラダイムを用いた実験を行うため、現地の研究協力者と連携を行うためにオーストラリアの大学を訪れるほか、アジア社会心理学会などの国際会議にも積極的に参加する予定である。 ソーシャル・メディアにおける社会的影響と個人の情報処理をつなぐ試みとしては、ソーシャル・メディアを通じて収集した様々な言説を実験刺激として用い、マウス・パラダイムによる個人内のダイナミックな態度を測定することにより、マクロ・マイクロの連関を部分的にではあるが検討していく。
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Causes of Carryover |
オープンプラットフォームを用いた実験環境の構築を開始したが、システム上にいくつかの困難な問題点が生じたため完成せず、2023年度へと持ち越すこととなった。また2022年度においても、新型コロナウイルスの流行とその社会への影響が継続していたため、対面での研究打ち合わせは特に海外出張については制限されていた。2022年度に実施を予定していた研究活動のうち、現地の研究協力者との打ち合わせ、およびコンピュータとインターネットも含めた実験実施の環境整備を海外出張によって実施する。ソーシャル・メディアのデータ収集に関しては、Twitter社がAPI利用の条件を変更したため、予定していた手法が使えなくなったため、この問題に対しても対処する。
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