2019 Fiscal Year Research-status Report
Detecting and correcting for response bias in Web-based data
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19K03209
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
田崎 勝也 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (00350588)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 反応バイアス / レスポンス・スタイル / Web調査 / インターネット調査 / 特異項目機能 / DIF / 等価性 / Satisfice |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年8月に韓国ソウルで開催された韓国心理学会において、本研究の理論的な枠組みとなるRIRSMACSモデル(Weijters, Schillewaert,& Geuens, 2008)を用いた反応バイアスの補正について研究発表を行った。本研究は日米韓の国際比較調査であったが、文化集団によって示される異なる反応バイアスの制御法は、調査モード間(インターネットvs.紙と鉛筆)および調査協力者間(登録モニターvs.学生)の反応バイアスの統制・制御にも適用できる。制御モデルとしてのRIRSMACSの妥当性を検証した当該論文(「レスポンス・スタイルは文化的等価性を毀損するのか」)は『心理学研究』90巻2号に掲載された。 実査の進捗状況としては、大手調査会社に依頼し、Webベース(2000名)とFaxベース(400名)の調査データの収集を完了した。約150問からなる調査票の作成に際しては、質問内容の影響が出ないよう、さまざまな分野から幅広く質問項目を収集した。今後は同質問票を用いて、学生からもデータを収集し、調査モード間だけでなく、調査協力者間での反応バイアスの発生頻度の差異を検討する。 20年度はまず収集したWeb調査データを基に、反応バイアスの発生頻度やSatisficeと呼ばれる手抜き回答の関係性、さらにはこうしたバイアス要因が心理尺度による因子モデルの信頼性や妥当性にどのように関与するのかについて検討する。研究成果は日本心理学会第84回大会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響で、データ収集に想定外の時間を要したものの、韓国心理学会での発表および心理学研究への論文掲載、さらに20年度秋には日本心理学会第84回大会(オンラインでの開催予定)での論文発表を予定しており、おおむね順調に推移していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように、9月にオンラインで開催される日本心理学会の学術大会では、Web調査データに潜む反応バイアスとSatisficeの関係、またこうしたバイアス要因が調査データの信頼性や妥当性をどう関与するのかを検討した研究を発表予定である。 その後は、Web調査とFax調査の差異を検討し、調査モードが反応バイアスの発生頻度に与える影響について検証する。 調査協力者の比較としては、学生からデータ収集およびWeb調査との比較を予定しているが、新型コロナウィルス感染症の影響で、現時点で大学が閉鎖されているため、データ収集の見通しが立たない。そのため、学生からのデータ収集は22年度にずれ込むことも考えられる。
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Causes of Carryover |
「その他」の直接経費に関しては、Fax調査データに関する予算執行に因るところが大きい。納品は完了しているものの、新型コロナウィルス感染症の影響で大学が封鎖されているため、会計処理が遅れ支払いは完了していない。また「人件費・謝金」について支出がゼロになっているが、今年度はまず基礎的なデータ処理を研究代表者自身で行ったため、計上していた研究協力者への謝金(共分散構造分析を用いた統計処理)は発生しなかったことによる。
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