2021 Fiscal Year Research-status Report
Detecting and correcting for response bias in Web-based data
Project/Area Number |
19K03209
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
田崎 勝也 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (00350588)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 反応バイアス / レスポンス・スタイル / Web調査 / インターネット調査 / 紙面調査 / 回答モニター |
Outline of Annual Research Achievements |
日本心理学会第85回大会(2021年9月オンライン開催)において「回答モニターはWeb調査と紙面調査では回答行動を変えるのか」を発表した。本研究では同一項目に対する2,000名のWeb調査データと515名の紙面調査データを比較して、調査会社に所属する回答モニターが示す反応バイアスの発生頻度が調査ツールによって異なるのかを検証した。反応バイアスを数量化にはWeijters et al.(2008)の因子モデル(RIRSMACS)を用いた。分析の結果、Web調査データでは5件法で3を回答する中間反応バイアス(MRS)が顕著だったのに対して、紙面調査データでは1や5を好意的に選ぶ極端反応傾向(ERS)だった。一方Web調査と紙面調査での反応バイアスの因子得点の差を検討すると、紙面調査はWeb調査と比較して4や5を選択する黙従反応傾向(ARS)とERSが有意に高く(それぞれz=19.42, p<.001、z=3.35, p<.001)、MRSは有意に低かった(z=-15.23, p<.001)。 調査結果をまとめると、1.紙面調査においても、3種の反応バイアスは実質的に存在する、2.Web調査と比較すると、全体的にその影響力は減じており、また顕在化する反応バイアスの種類にも若干の違いがある、3.A社(Web調査)とB社(紙面調査)に所属する回答モニターが同じような参加動機や回答特性を有しているという前提に立てば、反応バイアスの強度および種類の差は回答ツール(紙面 vs. Web)の特性によってもたらされた可能性が高い、の3点が結論づけられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本プロジェクトは2021年度に完了する予定だったが、コロナ感染症拡大の影響で、研究計画に遅れが生じた。特に2020年度は大学の授業がすべてオンラインになったため、学生からのデータ収集が実施できなかった。 また感染症拡大のため、20年度・21年度は国内外への出張が大きく制限された。統計研修会へ参加だけでなく、研究発表を予定していた国内外の学会出席も叶わなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染症拡大の影響による研究計画の遅延に伴い、本プロジェクトは計画延長(1年)を申請し認められた。そのため、22年度は当初最終年に予定されていた統計解析、論文執筆および研究発表を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ感染症拡大の影響で研究計画に遅延が生じているため、計画の一年延長の申請をし認められた。そのため次年度は当初計画されていた最終年度の予算執行を行う。具体的には、研究発表のための国内外の出張である。
|