2022 Fiscal Year Research-status Report
臨床現場における人の共感特性と心理的ストレスに関する研究
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19K03219
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
長峯 正典 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 行動科学研究部門, 教授 (70725217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 宣人 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (20805105)
重村 淳 目白大学, 保健医療学部, 教授 (90286576)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 共感性 / 医療従事者 / 二次的外傷性ストレス / バーンアウト / 共感疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究4年目となる令和4年度は、縦断調査の最終年度として、防衛医大卒業の医師/看護師を対象にアンケートを実施し、現在回答を収集しているところである。既に収集済みの計506名の横断データについては解析を終えており、以下の内容としてまとめた。 ・Brief-COPEで得られた14のストレス対処について探索的因子分析を行い、「積極的対処」、「援助希求」、「間接的対処」の3因子を抽出した。これら3因子に加え、対人反応性指標で得られる4つの共感特性(「共感的関心」、「視点取得」、「個人的苦痛」、「想像性」)および個人属性を独立変数とし、ProQOLで評価した「バーンアウト(BO)」、「二次的外傷性ストレス(STS)」、「共感満足(CS)」を従属変数として重回帰分析を行った。 ・自己志向的・情動的共感特性である「個人的苦痛」は、高いBO及びSTS、そして低いCSと有意に関連していた。他者志向的・情動的共感特性である「共感的関心」は、低いBOおよび高いCSと有意に関連していた。ストレス対処では、「積極的対処」が低いBOおよび高いCSと有意に関連し、「間接的対処」は高い BOおよびSTSと有意に関連していた。 ・医療者の「共感的関心」やストレスへの「積極的対処」を高めることでBOの予防につながり、さらにCSが向上することでBOやSTSに対して保護的に作用する可能性が示唆された。一方、「個人的苦痛」はBO及びSTSのリスク因子として抽出されたが、本特性の高い医療者に対し、何らかの教育的介入が望ましいと考えられた。 これらの内容については論文としてまとめており、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19の影響により、データ収集の調整がスムーズにいかず、予定よりも若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、縦断調査における最終調査の回答を収集している。収集が終わり次第、縦断データの解析に着手し、学会報告および論文作成にかかる。
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Causes of Carryover |
研究開始当初より、COVID-19の影響によりデータ収集の時期がずれ込んでいる。そのため、調査完了に遅れが生じ、研究期間が1年延長するに至った。最終年度は縦断データを分析し、学会報告および論文報告のための経費として使用したい。
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Research Products
(2 results)