CATにおける開発・運用コストの削減と汎用性向上に関する研究

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K03220
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 熊谷 龍一 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (60422622)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 柴山 直 東北大学, 教育学研究科, 教授 (70240752) ; 岩間 徳兼 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (70608900)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 簡易型CAT

Outline of Annual Research Achievements

本研究は，簡易型コンピュータ適応型テスト(CAT)について，1)そこから算出されるスコアに対して，テスト理論の観点からその特徴を解明すること，2) 簡易型CATの仕組みを，紙筆テストのような項目固定提示形式のテストへと拡張すること，の2点を目的としている。
当初想定では，2020年度は実際にCATシステムを構築し，データの収集・分析を行うことが目標とされていた。しかしながら，コロナウイルスによる社会情勢の変化に伴い，実際に受験者を募集してデータを収集することが非常に困難な状況になり，またその状況は今後しばらくは続くことが想定されるため，これについては大幅に研究方針を変更することが必要となった。
2020年度以降の研究方針として，2019年度の実績として得られた，シミュレーション研究による知見について，さらに詳細な検討を加えることを目標とした。具体的には，１）項目母数の分布や，EAP推定量における事前分布などの要因による影響はどの程度であるのか，２）受験者に実際に提示された項目の難易度により受験者の得点とする熊谷ほか（2013）の方法と，本研究で提案しているRaschモデルを用いた方法とがどのような関係にあるのか，などをシミレーションにより検討することとした。
2020年度は以上の方針を立てること，および研究環境（プログラミング環境の整備など）が大きな課題となり，2021年度以降に実際にプログラミングなどを行い検討を進めることとした。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナウイルスによる社会上の大きな変動により，１）研究方針の大きな転換を迫られたこと，２）研究チームのミーティングなどの開催も困難になったこと，などの要因により研究の進捗はやや遅れている状況となっている。

Strategy for Future Research Activity

残り研究期間（２０２１，２０２２の２年間）において，実際に受験者を募集するようなデータ収集は困難であることから，コンピュータ・シミュレーションによる比較検討を中心に研究を進めていくこととなる。
また，大規模に実施しされている言語テストなどにおいては，自宅でネット受験をするシステムの整備が進められていることから，そのようなシステムが本研究においてもどのように利用・応用できるのかについても，検討することが新たな課題となっている。

Causes of Carryover

前年度に引き続き，コロナウイルスによる影響で旅費・人件費の利用ができなかったことから，次年度使用額が生じている。ただし本年度については，研究環境の整備等で想定通りの支出となっており，残額は前年度未使用分を引き継いだものとなっている。
次年度についても，社会情勢の変動に合わせて，支出の調整を行なっていく予定である。