2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K03226
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
溝川 藍 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (50633492)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 感情理解 / 文化差 / 幼児期 / 児童期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要な目的は,西欧で普及している感情理解テスト(Test of Emotion Comprehension,以下TEC;Pons & Harris, 2000)の枠組みを用いて日本の子どもの感情理解の測定に適した指標を作成し,これを用いて幼児・児童の感情理解の発達プロセスとその文化差を明らかにすることである。本研究は,TECの開発者であるFrancisco Pons教授(ノルウェー,オスロ大学)との国際共同研究として実施するものである。 1年目にあたる2019年度は,まず,オスロ大学においてPons教授との研究打ち合わせを実施し,本プロジェクトの研究計画について話し合いを進めるとともに, TEC version 1.2.の英語版とその使用権を入手した。次に,これをもとに日本語翻訳とバックトランスレーションの手続きを経て,日本語版感情理解テスト(TEC-J)のベータ版を作成した。 その後,国内の2名の研究協力者(甲南大学 子安増生特任教授,静岡大学 古見文一講師)と連携して,日本の幼児並びに成人を対象とする調査を開始した。成人を対象とした調査は,日本において大多数が選ぶ選択肢を日本語版感情理解テスト(TEC-J)の「正答」として設定するために実施している。調査は継続中であるが,これまでに得られたデータの分析結果をふまえて,オリジナルのTECで正答される回答と日本における回答の共通性と異質性についての検討を進めている。 なお,オスロ大学訪問時には,心理学部の学生対象の講義を行い,参加者と感情理解の発達の文化差に関する意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り,日本語版感情理解テスト(TEC-J)の作成のための研究を遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に作成した日本語版感情理解テスト(TEC-J)のベータ版を用いて,引き続き幼児と成人を対象とした調査を進める。加えて,児童を対象とした調査を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響で年度末に計画していた学会出張がキャンセルとなったため,次年度使用額が生じた。2020年度の国内出張旅費に使用する予定である。
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