2019 Fiscal Year Research-status Report
連携と継続を促すポジティブな防災教育の展開-共助のための自助の学習-
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19K03230
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
豊沢 純子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (90510024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹橋 洋毅 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70583871)
島井 哲志 関西福祉科学大学, 心理科学部, 教授 (30136973)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 防災教育 / ポジティブ心理学 / 人格的強み |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、24の人格的強みと防災行動の関係を検討することを目的に、2つの研究を実施した。第一に、人格的強み(チェックリスト;島井, 2019)と防災行動(家庭、地域、個人)の関係を確認するためのWeb調査(500名)を行った。その結果、予想通りに、ほとんどの強みと防災行動の間に正の相関関係が確認された。 また、特にリーダーシップの強みが防災行動の促進に寄与している可能性が示唆された。この結果について、学術雑誌への論文投稿を行い、審査を受けた。第二に、ポジティブ心理学に基づく防災教育の授業実践を2つの授業で行った。 1つの授業(163名)では、チェックリストで自分の強みを診断した後、地域防災のために大学生にできることを考え、グループで議論をしてもらった。学習前後で防災意識を測定したところ、学習後に地域防災に対する参加意図の向上が見られた。アイディアの内容を質的に評価した結果、各自の強みに基づく独創的なアイディアが多く産出されていた。この結果は日本教育心理学会の年次大会で発表するとともに、大学が所属する市の危機管理課と共有した。 もう1つの授業(25名)では、大学の防災訓練に参加して問題点を把握した後、各自の人格的強みの診断、強みの概念を理解するためのかるたの実施、グループでの新しい防災訓練のディスカッションを行った。学習効果を評価するため、強みの理解、強みの自覚、強みの活用意図、防災行動意図を測定した。この実践では学習後のみ測定した。その結果、いずれも尺度中点より得点が高いことが確認されるとともに、今後の防災行動意図には強みの自覚や活用意図との関係が強いことが示された。この結果は日本教育心理学会の年次大会で発表した。 研究の実施においては、研究分担者とその都度ミーティングを行い、全員が研究計画の精緻化、データ分析、学会発表および論文執筆の各過程に関わり、多くの助言を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度初めに計画した通りに研究を実施できている。成果の発表についても、学会発表を行うとともに、学術誌への投稿を行っている。進捗状況は順調であると言える。研究分担者からも多くの支援を得ており、良い研究体制が構築できている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究体制については現在のまま進めていく予定である。2020年度の強みカルタの作成においては、新型コロナウイルス感染症の流行を考慮すると、複数人で教材に接触することが好ましくない可能性があり、研究分担者と協議を重ねている所である。
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Causes of Carryover |
カルタの印刷の見積りを取った結果、予算を大きく超えたため、教材の見栄えは悪くなるが、カルタの厚紙を買い、その上にシールを貼って使用することにした。予算残額は次年度の教材作成に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)