2019 Fiscal Year Research-status Report
A basic research for development of effective learning method of foreign language vocabulary: Effectiveness of repeated presentation with incidental stimuli
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19K03243
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
漁田 俊子 静岡産業大学, 経営学部(磐田), 教授 (40161567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漁田 武雄 静岡産業大学, 経営学部(磐田), 教授 (30116529)
久保田 貴之 静岡産業大学, 経営学部(磐田), 講師 (50782877)
日隈 美代子 静岡産業大学, 経営学部(磐田), 助教 (70823714)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 対連合学習 / 偶発的環境的文脈 / 学習促進法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の第1年度は、実験を行い、また、研究成果の論文発表も行った。 ●実験:顔と名前の対連合を促進する方法を調べた。顔と名前対を同一文脈下で4回反復学習する条件と、すべての項目対提示が中間背景色の背景で行われる条件の成績を調べた。文脈として、ビデオ文脈、背景写真(ビデオの特徴的場面の静止画)、スポット絵画(画面の4分の1の大きさのカラー絵画:車、イルカ、お菓子、サングラスなど)を用いた。顔は、4年生の就活履歴書の写真を、この実験でのみ用いるという条件で、各人から提供を受けた。10枚が男性、10枚が女性の写真であった。ビデオ、写真、スポット絵画、グレーの4条件に22名ずつ大学生を割り当てた。その結果、ビデオと写真条件がグレー条件よりも有意に高い成績を示した。また、ビデオ条件はスポット条件よりも高かった。これらの研究成果は、2020年度の日本心理学会で発表する予定である。 ●論文発表:本研究で中心となるビデオ文脈の機能について論文をまとめた。再認記憶におけるビデオ文脈依存効果は、(1) 文脈負荷(1文脈あたりに提示される項目数)や(2) 提示様式(ランダム提示、連続提示)、(3) 文脈操作(実験参加者内、実験参加者間)によって、文脈の機能が変化し、結果も変化することを、7つの実験によってまとめた。ビデオを中心に行う本研究課題にとって、非常に有益なまとめとなっている。2019年の9月にJournal of Memory and Language (5-year impact factor = 5.763)に論文を投稿し、1回の修正を経て、2月に採択通知を受けた。6月現在は、Open Access 公開されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1) 予定していた実験を完了させ、結果もほぼ予想していた通りに得ることができた。この成果を2020年度の学会に発表できる。ここまでは想定内である。 (2) 関連する研究成果を、Journal of Memory and Language(JML)に投稿し、採択されたことは予想以上の大きな研究成果といえる。JMLは、過去5年間のImpact Factor が5.763と非常に高く、この領域でも恐らく世界最高峰であろう。アメリカ心理学会(American Psychological Association, APA)で対応する雑誌Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition (JEP: LMC)(この雑誌も非常に高く評価されている)でも5年間のImpact Factor が3.258である。日本人でJMLに掲載された論文(前身のJournal of Verbal learning and Verbal Behavior)を1編しか知らない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度も,引き続き実験を行う。 (1) これまで、文脈負荷1での実験を行ってきた。顔と名前の対連合であれば対応できるが、外国語単語の暗記では数千個を超える対(外国語と日本語の意味の対連合)の学習が必要となる。その場合、文脈負荷1では,単語数と同じだけのビデオが必要になってしまう。文脈負荷1の条件では、1個あたり5秒の短いビデオを用いていた。これに対して,1回の学習全部を1つの長いビデオを用いル方法の有効性を確認する。最近採択されたJMLの論文でも、1個あたり4秒のビデオを10回連続提示する条件と、40秒のビデオの効果とを比較し、差がないことを確認している。ビデオ文脈依存効果の先駆けであるSmith & Manzano (2010) の論文以降、Smithらは文脈負荷1の実験を繰り返している。しかしながら、今回のJMLの研究以来、むしろ長いビデオの方が,本来のビデオの機能が発揮できることを確認した。そこで、対連合やその他の記憶における長いビデオの機能を解明していく予定である。 (2) これまでの対連合学習促進法の研究成果を、論文化することを予定している。JMLか、あるいはJEP: LMCに掲載できればと思っている。
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Research Products
(3 results)