2019 Fiscal Year Research-status Report
Parental Responsiveness and Children's Language Development
Project/Area Number |
19K03247
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Research Institution | Osaka University of Comprehensive Children Education |
Principal Investigator |
小椋 たみ子 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (60031720)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 語彙カテゴリー / 言語入力の量・多様性・反復性 / 対乳児発話 / 動作 / 応答性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.子どもの語彙カテゴリー獲得の年齢推移、母親の言語入力における各語彙カテゴリーの多様性・量・反復性の年齢推移、および子どもの語彙カテゴリー獲得に及ぼす母親の言語入力の効果を9、12、 14、18、21、 24ヶ月158名のデータから明らかにした。 (1)JCDIsで測定した幼児語、個人社会語の取得率の隣接月齢での有意な増加は14ヶ月と18ヶ月の間で、事物名詞、述部語、閉じた語は18ヶ月と21ヶ月の間で有意な増加があった。(2)母親の言語入力の多様性(types)の頻度は述部語、個人社会語、閉じた語、事物名詞、育児語の順で、21ヶ月の述部語が9、12ヶ月より有意に高かった。他の語彙カテゴリーは年齢で有意な差はなかった。量(tokens)は、個人・社会語、述部語の順で、他の結果はtypesと類似した結果であった。反復性(TTR)は個人・社会語が有意に低く(反復性大)、9ヶ月が有意に高かった(反復性低い)。(3)観察時点24ヶ月事物名詞、21ヶ月述部語、閉じた語の母type, tokenと子どもの対応語彙カテゴリーの相関が有意に高く、母親は子どもの語彙発達に合わせて入力していた。(4)14ヶ月母親述部語、個人・社会語、育児語の言語入力は33ヶ月時点の子どもの各語彙カテゴリーに正の効果を与えていた。 2.応答性の概念のひとつである多感覚での入力として、動作系育児語と名詞系育児語に伴う養育者の動作を抽出した。 3.応答性の指標のひとつである、子どもの発話に対する母親の音声模倣の分析枠組みを検討した。 4.応答性の指標について、子どもの発話と養育者の発話の時間的間隔を測定するために録画データをdv形式からwav形式への変換作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
母親の発話の語彙カテゴリー分析に多大な時間を要したので、応答性の分析の時間がとれなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.子ども33ヶ月の語彙発達を予測していた12、 14、 18ヶ月の母親の育児語を名詞系育児語と動作系育児語に分類し、身振りの随伴有無,動作内容(カテゴリー設定必要)を分析し,子どもの語意獲得における養育者の身振りの手がかりを明らかにする。 2.子どもの発話がモデルとなる無意味音声、有意味音声に続く15秒以内に発せられた母親の発話の音声模倣を分析する。モデルが有意味語については分析が済んでいるので、無意味音声がモデルについて分析する。 3.子どもの発話と養育者の発話の時間的間隔の分析を行う。子どもの発声・発話に続く養育者の発話のポーズの時間を音声解析ソフトPraatにより測定する。 4.子どもの無意味語から有意味語獲得に至る養育者の子どもの語彙獲得の足場づくりについて、12、14、18ヶ月の子どもの音声と子どもの音声に続く母親の音声、身振りを分析する(先にあげた2とも重なる)。
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Causes of Carryover |
母親発話の語彙カテゴリー分析に時間を要し、応答性の分析の作業内容を決定できなかったため、分析作業を依頼できず、人件費・謝金の支出が予定より少なかった。来年度は繰越金を作業謝金に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)