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2020 Fiscal Year Research-status Report

児童生徒のSNS利用行動と友人関係:「現代的」特徴の多義性をふまえた検討と応用

Research Project

Project/Area Number 19K03254
Research InstitutionUniversity of Yamanashi

Principal Investigator

若本 純子  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60410198)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊藤 美奈子  奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (20278310)
西野 泰代  広島修道大学, 健康科学部, 教授 (40610530)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
KeywordsSNS / インターネット / 児童生徒 / 発達 / 教師
Outline of Annual Research Achievements

2020年度の研究実績として,第1に,2020年までの先行研究,インターネット記事等をもとに,わが国の子どもたちにおける2010年代のSNS利用とトラブルの動向を整理することを試みた。その結果,わが国において高校生のSNS利用がほぼ100%になったのは2015年頃からであり,2018年頃からは複数のSNSやアカウントの使い分けが広がっていったこと,交流の相手は,現実場面で面識がある友人が主であるものの,TwitterやInstagramでは趣味などを共有できる未知の相手との交流も盛んに行われていること,SNSでの子どもたちの交流では傷つき・傷つけを避ける一方同期的な対話を面倒に思うなど,両価的な行動様式が見出されていることが明らかにされた。
教師を対象に「児童生徒のSNSトラブル」に関するオンライン調査を行った。教師89名から回答を得た結果,150件を超えるトラブルが報告された。主な内訳は,対人関係や対人コミュニケーションのトラブル:小学生32件,中学生35件,高校生12件,危険なサイトの閲覧/ポルノグラフィ等のコンテンツの送信・拡散/個人情報漏洩トラブル:小学生9件,中学生18件,高校生21件,オフラインでの接触や出会い系でのトラブル:小学生3件,中学生6件,高校生7件の報告があった(学校段階が不明のものはカウントしていない)。なお,SNSとは異なるがオンラインゲームにかかわるトラブルについても報告がなされ,小学生6件,中学生6件,高校生3件であった。2016年の調査では,トラブルがほとんど見られなかった小学生でも数多くの対人関係上のトラブルが報告された一方,高校生や中学生においては子ども間の性的コンテンツの送受信と付随する人間関係のトラブルが顕著であった。
これらの成果は,書籍(分担執筆)1,雑誌論文2,学会発表1で発表され,教師向けの研修における基礎資料とされた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究計画では,2020年度に,児童生徒を対象とする全国4か所で質問紙調査を実施する予定であった。しかし,2019年度末から猛威を振るうコロナ禍のため,断念せざるを得なかった。本調査は,本研究における中核的位置づけにあるため,その延期の影響は重大であり,「遅れている」と判断をせざるを得ない。

Strategy for Future Research Activity

2020年度に実施できなかった児童生徒を対象とする質問紙調査を2021年度には実施すべく研究を進捗する予定である。ただし,2021年度も新型コロナ感染症の感染拡大は収まる気配を見せていないことから,対面状況での質問紙調査を実施するのは難しいかもしれない。
質問紙調査ができなかった場合の代替手段として,1)学校を介して調査を依頼するしかない小学生,中学生の調査は断念し,高校生,大学生などSNSを日常的に利用する者たちへと対象を変更する,2)業者に依頼するものも含めオンライン調査へと方法を変更する,ということを考えている。

Causes of Carryover

2020年度に予定していた児童生徒を対象とする全国4か所における大規模質問紙調査を実施できなかったことから,そのために計上していた経費分が繰り越された。
2021年度には,対象と形態を変えて本調査を実施する予定である。業者依頼のオンライン調査を実施するよう変更を加える予定であるため,事前の研究計画よりも多額な費用が発生すると思われる。繰越金および本年度配当の助成金の多くはここで使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2021 2020

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 子どもたちはなぜSNSにハマるのか―2010年代のSNS利用とトラブルの動向―2021

    • Author(s)
      若本純子
    • Journal Title

      教育実践学研究

      Volume: 26 Pages: 19-31

    • Open Access
  • [Journal Article] インターネット空間と現実を往来する子どもたち ―ネットいじめの背景にあるもの2021

    • Author(s)
      若本純子
    • Journal Title

      全日本中学校校長会機関誌『中学校』

      Volume: 814 Pages: 4頁(6月刊行予定)

  • [Presentation] 青年期における「両価的友人関係」と高配慮行動との関連 同調的/共感的態度を媒介変数とするモデルの検証2020

    • Author(s)
      若本純子・原田恵理子・西野泰代
    • Organizer
      日本心理学会
  • [Book] 『今あらためて不登校を考える』2021

    • Author(s)
      若本純子
    • Total Pages
      250頁(11月刊行予定)
    • Publisher
      ミネルヴァ書房

URL: 

Published: 2021-12-27  

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