2021 Fiscal Year Research-status Report
中年期にある親の青年期の子どもとの親子間葛藤解決プロセスと影響要因
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19K03256
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平石 賢二 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (80228767)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 青年ー両親関係 / 親子間葛藤 / 葛藤解決プロセス / 中年期の心理的危機 / 中年期の発達課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実施内容は主に以下に示す3点である。 1.文献研究:文献研究は1つめの作業として,青年-両親間葛藤と中年期にある親の心理社会的発達課題の2つのキーワードに基づき過去20年間の国際誌の英文論文200編以上を収集し,研究動向分析を行った。その結果,青年-両親間葛藤の研究では,その大半が青年の心理社会的発達に与える影響に焦点をあてており,親にとっての影響を検討している研究はごく限られているのが現状であることが明らかになった。しかし,他方で親の養育のあり方parentingの概念的整理に関しては着実に研究成果が蓄積され,より明確にされてきたことが分かった。また,葛藤解決方略に関する研究,青年-両親関係の変容における親の情動変動性に関する研究など,本研究課題に関連する重要な研究を確認することができた。2つめに行った作業は,国内の臨床事例研究の分析である。青年期にある子どもの心理的不適応を主訴とする母親の相談事例論文を収集し,その心理治療過程において認められた親自身の心理的課題について整理を行った。その結果,多くの研究において親の愛着形成に関連した分離不安,分離-個体化の課題に焦点をあてていることが明らかになった。しかし,これらの臨床心理学研究は,親の過去の発達課題を重視し,新たに直面している中年期課題としてとらえる視点が弱い傾向が認められた。 2.オンライン調査の準備:2点目はオンライン調査の準備作業である。前年度では面接調査を行ったが人数が限られていたため,新たに自由記述形式の回答を求めるオンライン調査を実施することにし,そのための質問内容の精査および質的データである回答の分析方法の検討および分析ツールの入手を行った。 3.研究成果の発表:研究成果の発表としては,日本発達心理学会関西地区シンポジウムにおいて青年-両親間の葛藤生起メカニズムに関する話題提供を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本務の特に部局運営の業務の負担が大きく,研究に対するエフォート率が非常に低かったことが主たる原因である。また,新型コロナウィルスの影響により,面接調査を実施しにくい状況が継続続していることから調査方法の変更を検討していたことも遅延の理由の1つとして挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては,1年間の研究期間の延長を申請した。また,次年度は研究に対するエフォート率を高め,集中的に複数の調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は研究課題の遂行が大幅に遅延し,最終年度として研究計画を完了させることができなかった。そのため,1年間研究期間を延長し,次年度で複数回の調査を実施し,未使用の繰り越した研究費をそのための費用にあてることにした。
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