2023 Fiscal Year Annual Research Report
心理学研究における中級程度のベイズ統計学の教授法に関する研究
Project/Area Number |
19K03269
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
豊田 秀樹 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (60217578)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 項目反応カテゴリ特性曲線 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主として2つの研究を行った。 1つは「項目反応カテゴリ特性曲線による一対比較型テストモデルの提案」である。項目反応理論を用いた一対比較型テストのモデルを提案し、入社試験時のデータを用いて検証を行った。最初にモデルを定める母数である識別力と閾値、社会的望ましさの推定を行った。次に、推定時とは別のデータを用いて、推定値の交差検証を行い、十分に安定した推定値が得られていることが確認できた。 社会的望ましさについては、設問内容からも妥当性があることが示された。得られた定数を固定母数として扱い、尺度値の推定を行い、得られた推定値と加減で求められるテスト得点との比較をした結果、両者に高い相関があることが確認できた。また、得られた固定母数を所与として、理論的なテスト特性曲線を構成し、別のデータを用いて数値的なテスト特性曲線を構成し、2つを比較した結果、両者は概ね一致しており、理論的なテスト特性曲線の予測精度の高さが示された。 もう一つは「人工知能入門」である。人工知能に関してまったく知識のない初心者の方を読者対象とした入門的教材を作成した。やさしい記述による理論の説明、日常生活でなじみ深い応用例の紹介を通じて、実用的な意味での人工知能の実践的知識と技能を解説した。心理学・社会学・教育学・経済学・医学・看護学・農学・人類学・マーケティング等の分野における卒業論文・修士論文の執筆に利用できる。登場する分析例は、無料でオープンソースのPython を用い、読者自ら追計算できるようにした。
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Research Products
(3 results)