2020 Fiscal Year Research-status Report
養育行動および子どもの心理社会的適応に及ぼす養育場面における脱中心化の効果の検証
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19K03276
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
村山 恭朗 神戸学院大学, 心理学部, 准教授 (00728785)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 養育行動 / 脱中心化 / 感情調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
こどもに接する際における養育者の感情調整機能は不適切な養育行動と関連することが報告されている。そのため、適切な養育の促進を図る上で、養育者の感情調整は重要である。これまでの知見では、自身の思考や感情に気づくスキルである脱中心化の高さは、感情調整スキルと関連することが示されている。しかしながら、養育場面において養育者が示す脱中心化と養育行動の関連はこれまで報告されていない。そこで、本研究は養育場面における脱中心化を伴う行動・態度を測定する尺度を開発し、養育場面において養育者が示す脱中心化の高さと、子どもにおける心理社会的な問題の関連を検証することを目的としている。 本研究の第一の課題は、養育場面における養育者の脱中心化を伴う態度・行動を評価する尺度の開発である。2020年度において、就学前の子どもを持つ母親6名にインタヴュー調査を行った。このインタビュー調査の結果を踏まえ、養育場面における脱中心化を伴う態度・行動に関する自己評価式尺度(16項目)を作成した。作成した項目には、「自分の気分に気づかず、子どもを怒鳴る。」、「「余裕がない」自分に気づき、子どもへの対応を変える。」、「子どもを叱っているとき、自分の内面や行動に注意を向け、自分をコントロールする。」などがある。 作成した尺度(原案)の因子構造、信頼性、妥当性を検証するために、大規模調査を実施した。当初、A市内にある全公立保育園に通う子どもの保護者を対象とする予定であったが、昨年度の新型コロナウィルスの蔓延および感染防止対策の為、小中学校を通じた保護者への調査は実施できなかった。そのため、代替的な方法として、インターネットを介し、就学前の子どもをもつ母親(n=1,500)を対象とする調査を実施した。現在、データの分析および論文執筆を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の新型コロナウィルスの蔓延および感染防止対策の為、小中学校を通じた保護者への調査は実施できなかったため
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、既に調査で得られたデータの解析(因子分析、妥当性の検証など)を実施する予定である。また、養育場面における脱中心化を伴う態度・行動を評価する自己評価式尺度の開発に関する学術論文の執筆を進める予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度の新型コロナウィルスの蔓延および感染防止対策のため、予定通り、研究調査が実施できなかったことが大きな理由である。今後は、計画を予定通りに戻す予定である。
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