2019 Fiscal Year Research-status Report
子育て中のがん患者の包括的心理支援システムの開発と効果検証
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19K03294
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
五十嵐 友里 東京家政大学, 人文学部, 期限付講師 (00551110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
儀賀 理暁 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60276269)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サイコオンコロジー / 家族支援 / 心理学的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、若年層のがん患者に多く見られる、治療しながら行う子育てに関する心理的負担や懸念に対する包括的心理支援システムの構築を目指して、心理教育のプログラムの開発を行い、さらに、その働きかけがどのような効果を持つかについて検討を行った。 半日介入プログラムを構築し、デモグラフィックデータ、プログラム参加理由と感想、子どもの問題の有無、プログラムに参加したことによる養育の自信の変化、HADSによる抑うつと不安の評価を行った。 自由記述部分について質的内容分析を行った結果、参加した親は、子どもと離れて過ごすことについての問題や家族の関係性、子どもが不信感や不安感を持っているのではないかと懸念していたことが分かった。その上で、病気を説明したり、子どもに対する心配ごとによい影響があるかもしれないという期待を抱いて参加していた。プログラムに参加した結果、特に子どもに病気のことをうまく話せるようになったという効力感が高まったことが示され、1ヶ月後・3ヶ月後にも維持されており、子どもの問題の改善を報告した家族も認められた。がん患者の患者と家族を対象にした心理教育は、がんをもつ親が子どものケアをする効力感を高める一助となる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の学内業務の多忙のため、また、年度末においては新型コロナウィルスの影響により心理教育介入を実施することがかなわずに中止・延期となり、研究の進捗を予定通りに行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響により心理教育介入実施の難しさは継続するため、他の実施方法も別途検討する。また、調査に基づく研究など、実践介入以外の研究も併せて進めていく。
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Causes of Carryover |
研究実施がやや遅れているため、論文投稿に至ることができなかった。論文投稿にかかる経費として翌年度分に使用する。
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