2020 Fiscal Year Research-status Report
心理アセスメントにおけるフィードバックの実践的モデルと研修プログラムの開発
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19K03296
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
熊上 崇 和光大学, 現代人間学部, 教授 (40712063)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心理アセスメント / フィードバック / 研修プログラム / 情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
知能検査や心理検査の結果を,被検査者や保護者,支援者に分かりやすく解説し,支援に活用する「サポートシート」を含む書籍(熊上崇・星井純子・熊上藤子編著,「子どもの心理検査・知能検査ー保護者と先生のための100%活用ブック」(合同出版))を作成し,2020年10月に出版した。反響が大きく,2ヶ月後に重版となり,この書籍やサポートシートを用いて心理検査や知能検査の結果を学校側と情報共有できる事例も蓄積されている。
この心理検査サポートシートは,「心理検査結果と支援指針」「子どもの状況とお願いしたいこと」などの情報をシートに記載し,心理検査を活用した学校などでのチーム支援に活用するものである。このサポートシートに加えて,IQなど心理検査結果の見方などを,保護者や学校教員などに分かりやすく伝える内容を盛り込んだ。
また,公認心理師など心理職を目指す大学生,大学院生や現職心理職のための,心理検査のフィードバックに関する研修プログラムを作成した。この研修プログラムは8時間コースで,フィードバックの理念,倫理,報告書作成,フィードバック面接技法,支援チームにおける情報共有,支援体制構築について学ぶものである。この研修プログラムもテキストとして「心理検査のフィードバック」を作成し,2021年7月に図書文化社より出版予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィードバックの研修プログラムを2020年度に作成したので,2021年度は実際に研修プログラムを試行しているところである。具体的には,心理職を目指す大学生・大学院生向けに,フィードバック研修プログラムを実施し,フィードバックに関するスキル,意識,支援チーム会議への活用について学び,模擬フィードバック報告書作成・模擬フィードバック面接,模擬チーム支援会議のロールプレイを通じて,フィードバック技法の習得度の獲得に関する効果検証を行っているところである。
また,司法領域の心理検査のフィードバックについても,調査研究を継続しており,少年院や矯正施設からの退所時に,社会復帰にあたり心理検査や心理アセスメント結果を,社会復帰する際にどのようにフィードバックし,支援に活用するかの矯正施設あての調査に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
心理職や心理検査・心理アセスメントについて学ぶ大学生・大学院生向けに,フィードバック研修プログラムの試行を広く実施し,フィードバックの理念や面接技法,報告書作成などのスキルを身につけることができるか,それにより支援チーム体制が構築できるかについて,フィードバック講座の開催を通じて検証していく予定である。
具体的にはWISC-ⅣやKABC-Ⅱの実施方法を学んだ後に,報告書作成,フィードバック面接,フィードバック支援会議のロールプレイを行う。その後にフィードバックに関する研修プログラムを受講し,再度,報告書作成,フィードバック面接,フィードバック支援会議のロールプレイを行って,フィードバック能力がどのように高まり,支援に活用できたかを検証する。さらに心理検査のフィードバックのテキスト出版を契機に,心理職現職者へのワークショップを開催し,心理職現職者がフィードバックの際に直面している困難を軽減し,被検査者にとって,支援につながり意欲が高まる検査になるように現職者への研修を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのため,国内・国際学会が中止もしくはオンライン開催となり,旅費などを使用しなかったことが次年度使用額が生じた主な理由である。2021年度も国際学会はオンライン開催が多くなることが見込まれるが,学会参加で使用していく計画である。 また心理アセスメントの研修プログラムの効果測定のための心理検査器具購入などにも充当する予定である。
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