2020 Fiscal Year Research-status Report
青少年を対象としたインターネット依存予防教育プログラムの開発
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19K03302
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Research Institution | Kobe University of Welfare |
Principal Investigator |
永浦 拡 神戸医療福祉大学, 人間社会学部, 准教授 (10836224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 哲朗 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (00769979)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インターネット依存 / ゲーム障害 / ストレス / 認知 / 青少年 / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度では、Gaming Disorder(ゲーム障害)の認知およびプレイするゲームのタイプによる依存傾向の特徴を明らかにすることを目的に、5月、7月、11月の3回にわたり、大学生約1,000名を対象とした質問紙調査を行った。 まず、インターネットゲーム依存傾向を測定する尺度であるIGDS-J(鷲見ら, 2018)の得点をもとにゲーム障害に該当する者の割合を算出したところ、大学生全体において4.2%と、先行研究と同様の結果が得られた。しかし、従来危険因子として指摘されている性別(男性)については、本調査では性差は認められなかった。 次に、主にプレイするゲームのタイトルをもとに、1)課金要素の有無、2)他者とのコミュニケーションの有無、3)プレイするジャンルといったサブタイプによる分類を行った。 さらに、新型コロナウイルス感染症拡大状況下という社会情勢を鑑み、ゲーム障害の有病率の推移についてもあわせて検討することとした。その結果、5月時点の調査において、「ゲームの時間が増えた」と回答した者の割合は37.0%であったこと、これらの群は7月において「5月時点よりも増えた」と回答している割合が多いことが認められた。 大学生を対象とした縦断的調査として現在継続中であり、今後は対象を高校生、中学生、さらには新型コロナウイルス感染症拡大状況下の長期間の自粛や休校期間があった小学生にも対象をひろげ、調査の実施と予防プログラムに開発を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、青少年の生活習慣が大きな変化を余儀なくされており、平時のデータとの比較を行ったうえで研究を進めている。また、高校生および中学生については、学校の開始時期の遅れに伴い、従来予定していた質問紙調査の中止を余儀なくされた。 次年度に向け、自治体の教育委員会などと本研究に関する調査の承諾を得て、現在再度の調査に向けた調整および質問紙内容の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、ゲーム障害に関連する非適応的認知の尺度を中学生および小学生にも適用可能なものとして再構成し、ゲームへの依存傾向との関連、逆境的小児期体験(ACEs)やスキーマといった個人的要因との関連を仮定し、青少年におけるゲーム障害の依存プロセスモデルと適応的な対処法(コーピングスキル)について検討を行う。 さらに、これらの結果に基づき、ゲーム障害の予防教育プログラムを、認知再構成法と適応的なコーピングスキルの獲得を中心に構成し、小・中・高等学校における実践と効果の検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大にともない、オンラインによる調査やオンラインでの学会参加など、当初予定していた質問紙調査用紙の印刷代、学会等への旅費の支出がなくなったため。
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