2021 Fiscal Year Research-status Report
青少年を対象としたインターネット依存予防教育プログラムの開発
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19K03302
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Research Institution | Kobe University of Welfare |
Principal Investigator |
永浦 拡 神戸医療福祉大学, 人間社会学部, 准教授 (10836224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 哲朗 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (00769979)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲーム障害 / 認知的要因 / 青少年 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、青少年のインターネット依存のうち、2018年よりICD-11にて新たに疾患として加わったGaming Disorder(ゲーム障害)に焦点を当て、その程度を測定する尺度の検討、重症化に寄与すると考えられる認知的特徴をはじめとした心理社会的要因の検討、これらの結果に基づいた予防プログラムの開発を目的としている。 2021年度は、昨年度に引き続き、大学生を対象としたゲーム障害傾向と生活習慣に関する質問紙調査を実施した。新型コロナウイルス感染症拡大状況下という社会情勢を鑑み、ゲーム障害の有病率に変化はみられるか、IDGSJ(鷲見ら,2018)を用いて検討したところ、2020年5月と比較し、2021年5月におけるIGDSJ合計点が有意に高いことが確認された。また、IGDSJに正の影響を与える(ゲーム障害を促進する)要因として、昼夜逆転傾向、精神的健康の悪化が、負の影響を与える(ゲーム障害を抑制する)要因として、日常的な運動習慣が、それぞれ有意な影響を及ぼしていることが明らかとなった。 さらに2022年1月には、小中学生約2,000名を対象とした調査をもとに、ゲーム障害傾向に関する実態調査および依存傾向に関連すると考えられる認知的特徴を測定する尺度の作成を行った。その結果、IGDSJにおいてゲーム障害が疑われるとされる5点以上の者の割合は7.3%であり、大学生を対象とした調査(Noda et al., 2021;鷲見ら,2018)で報告されている2.8%~4.3%を上回る数値となった。また、依存傾向に関連する認知的特徴を測定する尺度は7因子構造であることが確認され、IGDSJおよび1日あたりの平均ゲームプレイ時間と正の相関が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、研究協力校における学校行事や年間計画の変更に伴い、調査および予防プログラム実施の延期を余儀なくされている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力校の調査結果に基づき、小中学校の現職教員と共同で、インターネット依存予防プログラム授業の開発を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大にともない、オンラインによる調査やオンラインでの学会参加など、当初予定していた質問紙調査用紙の印刷費用、予防プログラム教材開発費、学会等への旅費の支出がなくなったため。今年度は、主にプログラム教材開発およびシンポジウムの実施等に使用する。
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Research Products
(2 results)