2022 Fiscal Year Research-status Report
A clinical psychological study on professional identity development of graduate students
Project/Area Number |
19K03317
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黄 正国 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 助教 (80735275)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 専門家アイデンティティ / 大学院生 / 心理発達 / 学生相談 / キャリア支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究4年目となる本年度は、昨年度の介入実験の結果を踏まえて、大学院生15名を対象に支援プログラム(心理教育:60分×1回、情報提供:60分×1回、個別相談支援40分×3回)を行った。毎回の介入の後にデプスインタビュー(60分)を通して個別にデータを収集した。テキストマイニングを行い、専門家アイデンティティ尺度得点の高い群と低い群を比較して、語りの違いについて分析した。その結果、「人格の安定性(感情、行動、周囲との関係性等)」、「自己効力感(専門知識と能力、独自の視点や理論)」、「使命感(仕事の社会的意味、将来の自己像)」、「帰属感(同業者に受け入れられサポートが得られる、積極的に交流と情報共有を行う)」、「主体性(自分自身を専門家として認め、自己実現や社会貢献のために積極的に活動する)」、「満足感(達成度、他者による評価、将来への見込み)」などの側面において、専門家アイデンティティ尺度得点の高い群と低い群に違いが認められた。これらの内容に基づいて大学院生専門家アイデンティティの尺度の項目を改訂し、大学院生が自分の専門家アイデンティティの形成をセルフチェックできる道具を開発した。 さらに、ケーススタディを通して、「人格の安定性」、「自己効力感」が入学初期の専門家アイデンティティ、「使命感」、「帰属感」が研究専念時期の専門家アイデンティティ、「主体性」、「満足感」が修了前の専門家アイデンティティにあてはまることを確認した。大学院在学中の時間軸と個人の専門家アイデンティティの形成状況を可視化できるモデルを構成した。上記の尺度と可視化モデルは、専門家アイデンティティの形成に困難を抱える大学院生の問題をより精密にアセスメントできるようになったため、進路選択の意思決定やキャリア形成への相談支援に応用できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大により蔓延防止対策が実施されたことに影響され、4月から6月に予定された研究協力者の募集や支援プログラムの実施が10月から1月に延期した。 また支援プログラムは集団で実施できなくて、個別に実施した。 同じく新型コロナウイルス感染拡大の影響で、補助者に依頼する予定のデータ入力作業も遅れているため、学会発表と論文の執筆も延期されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1,修正版大学院生専門家アイデンティティ尺度を実際の相談支援に応用して、得られたフィードバックに基づいてさらに改善する。 2,上記の成果を関連学会などで発表し、専門誌に論文を投稿する予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により、本年度に予定した学会発表がキャンセルになった。そのため、出張旅費の予算執行が行えなかった。また、データ入力業務を依頼する予定の補助者も新型コロナウイルス感染拡大のため勤務できなかった。人件費の予算執行が行えなかった。 次年度の介入研究と学会発表を行う際に、データ入力の人件費と出張旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)