2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of cognitive behavioral therapy program for dental phobia patients with vomiting reflex
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19K03319
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
古川 洋和 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (60507672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 武昭 東邦大学, 医学部, 准教授 (60453700)
中尾 睦宏 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80282614)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歯科恐怖症 / 認知行動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】2019年度の研究目的は,嘔吐反射を伴う歯科恐怖症患者の不安・恐怖と関連する認知行動的要因を抽出することであった。 【方法】まず,181名の大学生を対象とした質問紙調査(Modified Dental Anxiety Scale・歯科治療時の嘔吐反射の有無・Dental Coping Strategy Questionnaire)を実施し,調査に同意の得られた対象者から,①嘔吐反射を伴う歯科恐怖症群(n=11),②嘔吐反射を伴わない歯科恐怖症群(n=14)を抽出した。次に,各群におけるDental Coping Strategy Questionnaireの下位因子得点とModified Dental Anxiety Scaleの得点についてSpearmanの順位相関係数を算出した。 【結果】嘔吐反射を伴う歯科恐怖症群においては,self-distracting and distancing因子得点がModified Dental Anxiety Scaleの得点ともっとも関連が強く(rs=-0.72,P=0.03),嘔吐反射を伴わない歯科恐怖症群においては,catastrophizing因子得点がModified Dental Anxiety Scaleの得点ともっとも関連が強いことが示された(rs=0.78,P=0.001)。 【結論】嘔吐反射の有無によって,歯科治療に対する不安・恐怖ともっとも強く関連する認知行動的要因が異なることが明らかにされた。特に,嘔吐反射を伴う歯科恐怖症については,歯科治療中の注意機能を反映するself-distracting and distancing因子が歯科治療に対する不安・恐怖ともっとも強く関連していることから,注意制御に関する介入が奏功する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度においては,嘔吐反射を伴う歯科恐怖症患者の不安・恐怖と関連する認知行動的要因を抽出することが目的であった。 2019年度は,①嘔吐反射を伴う歯科恐怖症群(n=11),②嘔吐反射を伴わない歯科恐怖症群(n=14)に該当する対象者を選定し,各群におけるDental Coping Strategy Questionnaireの下位因子得点とModified Dental Anxiety Scaleの得点についてSpearmanの順位相関係数を算出した。その結果,嘔吐反射を伴う歯科恐怖症群においては,self-distracting and distancing因子得点がModified Dental Anxiety Scaleの得点ともっとも関連が強く(rs=-0.72,P=0.03),嘔吐反射を伴わない歯科恐怖症群においては,catastrophizing因子得点がModified Dental Anxiety Scaleの得点ともっとも関連が強いことが示された(rs=0.78,P=0.001)。つまり,嘔吐反射を伴う歯科恐怖症については,歯科治療中の注意機能を反映するself-distracting and distancing因子が歯科治療に対する不安・恐怖ともっとも強く関連していることから,注意制御に関する介入が奏功する可能性が示唆された。したがって,当初の目的である「嘔吐反射を伴う歯科恐怖症患者の不安・恐怖と関連する認知行動的要因の抽出」は達成され,研究計画はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,①嘔吐反射を伴う歯科恐怖症患者における不安・恐怖の改善に有効な認知行動的要因の抽出(2019年度),②抽出した要因の獲得を目的としたプログラムの作成(2020年度),③プログラムの効果検討(2021年度),の3つの要素から構成される。 2020年度は,嘔吐反射を伴う歯科恐怖症患者を対象としたオープン試験によって,前年度に抽出された認知行動的要因の獲得を目的とした介入プログラムの認容性を検討する。具体的には以下のとおりである。 対象者:嘔吐反射を伴う歯科恐怖症患者15名を対象とする。 介入要素:前年度に抽出した要因(注意制御)の獲得を要素に加えた認知行動療法プログラムを実施し,オープン試験によってその認容性を検討する。その際,認容性の評価指標として,「完遂率(%)」ならびに「嘔吐反射の発現率(%)」を用いる。 倫理的配慮:研究の実施については,申請者の所属機関から承認を受けた後に実施する。また,すべての対象者には,当該研究の目的,意義,方法,研究対象者に生じる負担,予測される結果(リスクおよび利益),個人情報の保護について書面による十分な説明が行われ,承諾書への署名による同意が得られたうえで研究を実施する。
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Causes of Carryover |
当初は,収集したデータの入力等について学生アルバイトに依頼予定であったが,コロナウィルスの影響により出張が中止となったためその時間を利用して,データ入力はすべて研究代表者・分担者が実施した。そのため,旅費およびデータ入力等に係る人件費・謝金を当初の予定どおり執行できずに次年度使用が生じた。 次年度使用額については,2019年度の研究成果公開のための経費として使用予定である。
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