2023 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール依存症者の「回復の物語」をその家族はいかに経験するのか
Project/Area Number |
19K03321
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
石井 宏祐 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (30441950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 洋一 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 教授 (20369185)
石井 佳世 熊本県立大学, 共通教育センター, 教授 (00551128)
松本 宏明 志學館大学, 人間関係学部, 准教授 (90625518)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アディクション / 嗜癖臨床 / 脱嗜癖的な支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、回復を続ける当事者の「回復の物語」と、困難な暮らしを続けてきた「家族の物語」を対比的に分析することによって、家族の求める支援を体系化する。 初年次は、支援者のアディクティブな支援に着目し研究を進めた。アディクティブな支援に関する調査で得られた知見をもって、学会等で情報発信し、議論を行った。また、2冊の書籍の分担執筆を担当し、支援者の嗜癖性について紹介し、嗜癖性をふ まえた支援のあり方について説明を行った。 2年次も、支援者のアディクティブな支援に着目し研究を進めた。学会発表をのべ9回行い議論を行った。また,研究論文を4本執筆し,公開した。学会発表は,ワークショップの招待講師が3回,自主シンポジウムがのべ2回,口頭発表が2回,ポスター発表が2回であった。 3年次は、「当事者の物語」のインタビューと,「家族の物語」のインタビューを,両方行った。アルコール関連問題と愛着の関連について,学会のワークショップ講師を務めたが,ここでも本研究の知見を生かして 講義を行っている。他にも,本研究課題に関連するアディクティブな支援について,口頭発表を行い,議論を行った。また,所属大学の紀要に,間接的な関連のある研究論文を1本執筆し公開された。 4年次に公表した研究のうちの1本では,アルコール依存症の当事者が語る「回復の物語」を配偶者がいかに経験するのかについて,半構造化面接法によるインタビュー調査を行い,得られた語りを記述的現象学的分析によっ て検討した。 最終年度は,これまでの知見をもとにアディクションの予防的観点から,教育や子育て支援の領域での援用について論じた。
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