2019 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of characteristics of anxiety and effectiveness of cognitive behavioral therapy for anxiety disorder in Parkinson's disease
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19K03333
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
西川 典子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 脳神経内科診療部, 医長 (70403813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新明 一星 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 脳神経内科診療部, 科研費研究員 (80745688)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / パーキンソン病 / 不安 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD)の精神症状で高頻度に出現するのがうつや不安である. PDにおける不安症の有病率は31%と高く、診断受容や治療介入に影響するが、有効な治療はまだ少ない。そこで, 我々は, 不安を呈したPD入院患者を対象に, 不安削減を目指した認知行動療法(CBT)の有効性について探索的な研究を実施した。 不安を呈した(GAD-7=5点以上)PDの入院患者を対象に, 1回60分のCBTを8回実施した.主要評価項目は不安(Hamilton Rating Scale for Anxiety: HAM-A), 副次評価項目を不安(Generalized Anxiety Disroder-7: GAD-7), うつ(Hamilton Rating Scale for depression: HAM-D, Patient Health Questionaire-9: PHQ-9)とした. 平成30年10月から令和元年12月までに, 19症例(男性9名、女性10名), 年齢=72.3 (SD=8.8), 罹病期間=6.5年(SD=5.6), Hoehn-Yahr=2.6 (SD=0.6) であった. CBT実施前後において, HAM-A:18.1→11.2(p<0.0001), HAM-D:13.4→8.9(p<0.0001)に有意な症状改善を確認した.GAD-7, PHQ-9においては, 有意差はなかった. 脱落者は皆無であった.また有害事象はみられなかった。 本研究では PDの不安に対して入院環境下で8セッションのCBTを実施し、HAM-A, HAM-Dの有意な改善を認め、CBTがPDの不安の治療として有用である可能性が示された。この研究では、従来の構造化CBTではなく, 実施者がそれぞれのPD患者に柔軟に対応したテーラーメードCBTを実施し、これがPDの不安削減に有用であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は国立精神・神経医療研究センター病院において、パーキンソン病患者を対象に認知行動療法をオープン試験として実施した。順調な進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
勤務先が異動となり、順天堂大学でパーキンソン病の認知行動療法の有効性をランダム化比較試験(RCT)で検証するための体制を臨床心理士とともに構築中である。新天地で新たなメンバーで研究体制を構築するため時間が必要である上、COVID-19の流行により、倫理審査や臨床研究全般に遅滞が生じており、今年度中にRCTを終了させるのは困難である可能性が高い。今年度はRCTの立ち上げと、認知行動療法をface to facrではなく、インターネットを介して実施する方法に変更して、臨床試験を実施する予定に変更して研究を推進する。
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Causes of Carryover |
臨床心理士の人件費に端数として9351円の余剰を生じたため、次年度に実施する臨床研究での臨床心理士の人件費に充当する。
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Research Products
(2 results)