2021 Fiscal Year Research-status Report
パワーハラスメントの生起要因尺度の開発に関する臨床心理学的研究
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19K03342
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
佐竹 圭介 広島国際大学, 心理科学研究科, 講師 (20791429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 芳幸 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (30510367)
金子 周平 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (10529431)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パワーハラスメント / 個人要因 / 環境要因 / 因子分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
パワーハラスメント(以下,PH)の問題は,労働環境,個人の精神衛生,生産性の低下など,さまざまな否定的な影響をもたらすものであるが,企業等の現場においては,その定義の不明確さのためにハラスメントか否かの判断が難しく,対応に苦慮する事案が数多くみられる。このような状況において,学術的な視点からPHの構造を明らかにすることは,より現実的な定義を模索するための重要な視点を提供し,そのことがハラスメント予防および対策に直結する重要なトピックと言える。先行研究においては,PHが生起することによる被害者への影響や職場環境への悪影響に焦点づけられているが,PHが生起する要因に関する研究はまだ数が少ない。そこで,今年度の研究ではPHの生起に関連する,ハラスメント加害者とされる者の個人要因およびハラスメントが生じやすい場における環境要因とはどのようなものか,ということについて明らかにすることを目的とし,一般労働者を対象としたPH生起要因尺度を構成した。対象者は一般労働者553件であり,調査会社を通じてデータを収集した。年度内にデータ収集を終え,現在分析を実施しているところである。 また,昨年度までに実施したPHの定義に関する文献研究は,広島国際大学心理臨床センター紀要第20号に掲載された。 今年度は研究の最終年度であるため,これまでの研究成果を活用し,一般労働者を対象とした職場環境の改善に資するPHに関する研修の構成およびその評価を実施する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一昨年度実施予定のインタビュー調査が実施できず,研究計画を再構成した上で,今年度の研究を進めたため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に収集したデータを分析し,研究成果として学会等へ発表し,論文として出版する。 当初の研究計画ではパワーハラスメント防止に関わる研修を構成し,評価する計画であるが,研修を実施する機会を得にくい状況が続く可能性が高いため,構成した尺度を活用した調査研究を計画する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度に研究の進捗が十分でなく,2022年度まで研究を延長したため。 2022年度には,これまでの成果を元に調査研究等を実施する計画である。
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Research Products
(1 results)