2022 Fiscal Year Research-status Report
パワーハラスメントの生起要因尺度の開発に関する臨床心理学的研究
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19K03342
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
佐竹 圭介 広島国際大学, 心理科学研究科, 講師 (20791429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 芳幸 佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (30510367)
金子 周平 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (10529431)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | パワーハラスメント / 個人要因 / 環境要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
パワーハラスメントは,労働環境や個人の精神衛生の悪化,生産性の低下など,さまざまな否定的な影響を引き起こすことから,労働の現場において非常に関心の高いトピックである。さらに,2020年6月に施行された労働施策総合推進法により法的にも定義づけがなされ,国の施策としても重要なテーマである。一方で労働の場では,どこまでがPHであるかといういわゆる「線引き」の議論は依然存在している。このことについて,心理学的な視点からパワーハラスメントの概念について検討し,その結果を発信していくことは,その一助となるものと考えられる。 2022年度は,前年度に実施した全国の労働者を対象としたパワーハラスメントの認識に関する質問紙調査によって得られたデータを基に,主に因子分析を用いた生起要因尺度の作成を行い,その結果について「労働の場におけるパワーハラスメント生起要因尺度の開発」と題したポスター発表を日本カウンセリング学会第54回大会にて行なった。そこでの検討をベースにデータの再分析を行い,共同研究者と検討の上,心理臨床学研究に論文を投稿した。 さらに,同データに非階層クラスター分析を用いた分析を施すことにより,典型的なパワーハラスメント課外の個人要因と環境要因を明らかにするための検討を行い,2023年度の日本心理臨床学会にてポスター発表を登録した。 2023年度は,これらの成果をもとにパワーハラスメント防止に効果的な研修内容を構築し,一般に利用可能な形で公表する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画上のインタビュー調査が対面で実施できなかったため,研究計画を再構成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度は,これまでの研究成果を総括し,主に一般企業を対象としたパワーハラスメント防止研修に利用可能な資料を作成する計画である。
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Causes of Carryover |
学会発表等で計画していた旅費がオンライン開催により不要となったほか,研究計画を修正したため,研究期間を1年間延長した。 今年度は学会発表,論文化を実施した上で,現時点で得られた成果を研修資料としてまとめ,ホームページ等で公表することにより誰でも利用可能にする手続きを実施する計画である。
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Research Products
(1 results)