2020 Fiscal Year Research-status Report
心理的暴力(束縛行為)の被害の認識を阻害する要因の解明
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19K03352
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Research Institution | Shigakkan University |
Principal Investigator |
笹竹 英穂 至学館大学, 健康科学部, 教授 (00319229)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | デートDV / 心理的暴力 / 束縛 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、日本学生相談学会で「交際相手からの束縛行為に対する適切性の認識― デート DV(心理的暴力)を愛情表現として認識する機制を解明するために ―」の発表を行った。これは心理的暴力の束縛行為に対する認識を研究する上で、基礎資料となるものである。また至学館大学の教育紀要に「授業終了3ヶ月後のデートDV(束縛行為)の定義についての理解の変化の検証」論文を投稿し、採択が決定した。この論文はデートDV防止教育を行い、その直後と3ヶ月が経過した時点での効果を比較した効果検証の研究である。一定の効果が認められたことを報告した。 また束縛行為を受けた場合の対処方略のパターン分析の研究では、すでに学会発表を行った研究を発展させた内容であり、2回に分けてデータを収集した。それを分類整理して学会発表を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため断念した。 またデートDV防止教育を効果的に行うために、デートDV防止パンフレットについて若者目線で批評するという自由記述形式のアンケートを実施した。現在そのデータを整理しており、本学の教育紀要に投稿する予定である。さらに交際相手から束縛行為を受けた場合の受容してしまう過程についても、自由記述形式でアンケートを実施したので、そのデータも分析している。 なお日本心理臨床学会や犯罪心理学会でも発表を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため、断念した。来年度発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大のため、思うようにはデータ収集ができなかったが、令和2年度は学会発表1本行い、論文も1本投稿して受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
デートDV防止教育では、実験群のデータは収集できたため、今後は統制群のデータを収集する予定である。 束縛行為を受けた場合の対処方略のパターン分析の研究では、すでにデータを収集済みであるので、分析をして、できたら論文化したいと考えている。 また束縛行為を受けた場合の対処方略のパターン分析の研究、デートDV防止パンフレットの内容の妥当性の研究も継続して行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため学会発表を断念した。さらに対面授業が中止となり、アンケートを学生から収集することができなかった。今後の使用計画としては、先行研究を収集したものの分類が行われておらず、論文に引用することができないため、研究補助の人件費に充当したいと考えている。
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Research Products
(2 results)