2023 Fiscal Year Research-status Report
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19K03356
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
上野 淳子 四天王寺大学, 社会学部, 准教授 (90460930)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 恋人による被支配感 / デートDV / DV / 男性被害 / カップル調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、恋人による被支配感尺度を作成し、パートナーから暴力行為を受けているかとパートナーに支配されているかを分けて捉えることで、一般に認識されているようにデートDVは女性の方が男性より被害が多いのかを検討することである。デートDVとDVの比較、異性カップルと同性カップルの比較も行い、ジェンダーと親密な関係における暴力の対応について明らかにしようとしている。 2023年度は、前年度に実施したカップル調査の参加者のうち、フォローアップ調査への参加も承諾したカップルに対するフォローアップ調査を実施した。カップルとしての交際が継続しているか否かにかかわらず参加できるよう、参加依頼は個人に対して行った。この調査は最初の調査に参加した時期に合わせて実施したので、4月から12月までかかった。しかし、実際に応じた参加者は少なく、統計解析を行うのに十分なデータを収集することはできなかった。 また、前年度までに実施した調査結果の成果発表も行った。カップル調査のデータを分析し、被害-加害と支配-被支配は双方向であり、男性が女性の精神的暴力で支配されるという結果を得たので、それに関して学会発表1件を行った。 さらに、成人前期の異性カップルでは男性が女性より多く暴力行為を受け支配されているというインターネット調査の結果に関する論文を執筆し、2023年度はじめに学会誌に投稿した。その論文が修正再審査を経て採択され、2024年度4月に発行される学会誌に掲載されることになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、カップル調査を2021年度に実施することになっていた。しかしコロナ禍のために参加者を募集することができず、2022年度に実施がずれこんだ。その上、2022年度もコロナ禍の影響が残り、参加カップルが一定数以上となるのに予想以上に時間がかかり、調査期間が年度末までと長期化した。そのため、フォローアップ調査の実施も当初予定より大幅に後ろ倒しとなり、2023年末までかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
恋人による被支配感尺度の作成に関する論文と、異性カップルと同性カップルにおける暴力 被害を比較した論文を執筆し、投稿する。 カップル調査のデータを用い、ジェンダー観が被支配感に与える影響についての学会発表を行う。 学会誌に掲載される男性被害に関する論文の抜き刷りを、本研究の成果報告として関係各所に送付する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大により、本研究実施期間中の学会がほとんどオンライン開催となった上、コロナが5類感染症に移行した後の対面の学会も偶然近隣での開催だったため、旅費がほとんどかからなかった。余剰金は本研究課題の報告書にあたる論文の抜き刷り印刷費用と、それを関係各所へ郵送する費用に充てる予定である。
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