2021 Fiscal Year Research-status Report
求職者の柔軟性を高めるプロセス重視型キャリア支援プログラムの構築
Project/Area Number |
19K03361
|
Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
森川 友子 九州産業大学, 人間科学部, 教授 (70368877)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 浩二 追手門学院大学, 心理学部, 教授 (80330166)
平井 達也 立命館アジア太平洋大学, 教育開発・学修支援センター, 教授 (80389238)
福盛 英明 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 教授 (40304844)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | キャリアカウンセリング / 求職者支援 / プロセス重視 / フォーカシング / 体験過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、若年者の可塑性に配意しプロセス重視の考えに基づく新しいキャリア支援方法を作成し、良質かつ多くのキャリア支援者に伝授可能な「求職者の柔軟性を高めるプロセス重視型キャリア支援プログラム」を構築することである。 2020年から2021年にかけて、就活支援現場の優秀なキャリアカウンセラー(以下CCと略す)7名にインタビュー調査を行った。分析の結果、現場の優秀なCCは、相談者の「自己受容・自己理解」とともに、「仕事・社会に対する広い視野の獲得」「主体性」「協同意識」など、他者との連関を意識する力、すなわち「深まり」と「広がり」の両方が育ってきて、「働くことへの納得と意欲」も出てくると採用され易くなるとみていることが窺えた(2020年にその一部を学会で発表済)。 そこで2021年は、キャリア支援者が支援の方向性の参考にできるように、求職者の意識の深まりと広がりに関する成長度をアセスメントする評定尺度を作成した(「就活支援のための共生的体験過程尊重尺度」作成の試み(第1報)-プロトタイプの開発-」日本人間性心理学会第40回大会口頭発表;森川友子・福田尚法・永野浩二・福盛英明・平井達也)。尺度は段階が上がるごとに、先々の自分・他者・社会といったより広い文脈に目を向け、自分と他者、社会の中に多層的かつ有機的な相互連関を見いだす態度が表れるように構成された。また求職者の成長像を、縁起思想(鍋島,2009)・共同体感覚(Adler,1973)との関連で考察した。この尺度作成を通して、就活支援における相談者の成長プロセス仮説を概念化できたと考えられる。 本研究の最終目的である「キャリア支援プログラムの開発」の実施・実証については、コロナの影響もあり目途が立たず現在に至っているが、今回の尺度作成により、キャリアカウンセラー向け教材の中核となる重要なツールが出来たと言える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プログラムの要素となる支援手法や、キャリアカウンセラー用の教材の主要部分は作成できているが、コロナ状況下でワークショップが開催しにくく、また大学におけるコロナ対応業務が多忙を極めているため、予定していたプログラムの実施は少人数に対する試行段階にとどまっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年は、2020年にコロナで延期としていた国際学会での口頭発表を行い、また、それを含めた3つの学会発表の論文化を行う。 「求職者の柔軟性を高めるプロセス重視型キャリア支援プログラム」について、事例研究にてプログラム内容を公表することを目指す。
|
Causes of Carryover |
国内学会での口頭発表を予定していたが、学会自体がオンラインとなり、オンライン発表に切り替えたことにより、次年度使用額が生じている。2022年度は2020年に計画していた国際学会発表を行い、また学会誌への投稿を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)