2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K03363
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
浦久保 安輝子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20602824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 志門 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50548550)
加藤 佑佳 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60729268)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 意思決定支援 / Decision Aid / 高齢者 / 認知症 / 情報提供 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化率が急増し認知症患者の急増が見込まれる中で、認知症であっても個々の価値観や希望に基づいて意思決定がなされるための支援が求められている。本研究では、高齢者や認知症患者を対象として、患者の理解や満足を促す効果的な情報の提示方法を多角的に検証し、高齢者や認知症患者の意思決定支援のために推奨される情報作成プロセスの在り方を検討する。
初年度である2019年度は、エビデンスに基づく医療上の意思決定支援ツールであるDecision Aidについて、高齢者や認知症患者に対する活用状況をレビューした。その結果、高齢者においても幅広い領域でDecision Aidが活用されており(例:経口摂取ができなくなった場合の人工栄養法の選択、終末期の療養場所や治療選択など)、活用によって、治療選択に関する葛藤が低下し、治療の正確なリスク認識や意思決定プロセスへの関わりが促されるなどの有用性が多数報告されていた。一方で、認知症患者当人の意思決定に焦点をあてたDecision Aidの作成と普及については、ほとんど先行事例を同定できなかった。
2020年度は、高齢者の認知機能低下を踏まえた情報提供のあり方について神経心理学的観点から先行研究のレビューを行うとともに、これまでのレビュー結果を踏まえながら、プロトコール立案(研究手法、介入対象者、アウトカム設定、倫理的見地から考慮するべき点などの検討)を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
認知症患者を対象としたDecision Aidの先行研究が乏しく、文献収集や研究手法の検討に当初予定していた以上の時間を要したため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き先行研究のレビューを行うとともに、研究計画の立案を行う。
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Causes of Carryover |
先行研究レビューに当初予定していた以上の時間を要し、当初2019年度に予定・計上していた調査の実施に至らなかったため、次年度使用額が生じた。2020年度は、引き続き先行研究のレビュー、介入調査などの計画立案・実施を行う予定であり、旅費や調査費用として使用を計上している。
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Research Products
(3 results)