2022 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者が住み慣れた地域社会で暮らし続けるための生活機能評価法の開発
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19K03364
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
佐久間 尚子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70152163)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 生活機能 / 疫学調査 / 日常生活 / 行動頻度 / 自己評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者が地域で暮らし続けるための基本的な生活機能を検討する目的で、高齢者が実際に「している」日常生活行動を疫学調査によって調べた。昨年度末に70歳以上の近隣住民約1万人を対象に調査協力を郵送依頼し、参加同意の得られた1,143名(男性 44.8 %、平均年齢 77.9歳)に、身体計測や採血・歯科・運動・栄養、認知機能を調べる会場調査に参加してもらった。この中で、朝起きてから寝るまでの6領域「起床、食事、家事、交流、情報、就寝」に関する計33項目の生活行動を抽出し、自分でする頻度を5段階(1.毎日、2.週に何回か、3.月に何回か、4.年に何回か、5.していない;分析時に4~0に逆順化)で尋ねた。認知機能はMMSE-Jを用いて評価した。 生活行動33項目の頻度の高い上位3項目は、全体では「洗面、テレビ視聴、着替え」であり、女性では「着替え、洗面、消灯」で、独居では「消灯、戸締り、食事の後片付け」だった。平均評定値3(週に何回か)以上の高頻度の項目数は、全体で21項目だったが、男女差が見られた(全体:男14<女24、独居:男18<女23、夫婦:男15<女24項目)。また、認知機能の差が見られた(MMSE-J 23点以下15<24点以上21項目)。年齢3群(65-74歳、75-79歳、80歳以上)の差は見られなかった。日常の生活行動頻度には男女差や家族構成の差が見られ、高齢期の家族形態によって安心安全な暮らしの状況が異なる可能性が示唆された。以上の結果を老年精神医学会で発表し、論文化を進めている。 既存資料の分析・論文化に関しては、高齢者の標準的な認知機能検査(MMSE-J)と注意・実行機能の検査(TMT)との関係について、Front Aging Neurosci。に発表した。
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Research Products
(3 results)