2021 Fiscal Year Research-status Report
介護行動の行動分析に基づくユマニチュード評価システムの開発
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19K03378
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高橋 雅治 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80183060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 将永 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (20322919)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ユマニチュード / 認知症 / オペラント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はユマニチュードの効果を量的に分析するための調査実験研究を実施することが困難であった。そのため、ユマニチュードの効果を量的に分析した日本語と英語の文献を検索し、整理する研究をおこなった。具体的には、グーグル・スカラーなどの複数の文献検索システムを使ってユマニチュードの効果を検討した先行研究の文献を抽出し、それらを、質的研究、事例研究、総説、量的研究等に分類する研究をおこなった。その結果、日本語と英語の文献のどちらにおいても、質的研究、事例研究、総説等が大部分を占めており、ユマニチュードの効果を量的に検討した研究が少ないことが示された。質的研究や事例研究では、対照群となるデータがないことが多く、ユマニチュードの効果を量的に評価するには不十分であった。また、量的研究の中には、人工知能を用いた評価方法を開発を目指した研究が数多く含まれており、被験者数が少ないことが多かった。さらに、ユマニチュード学習することが介護者の心理行動にどのような効果を及ぼすかについての検討なども含まれており、被介護者への効果を量的に検討した研究は少ないことも示された。ユマニチュードが推奨する介護行動はオペラント行動の一種であり、弁別刺激、オペラント行動、結果という3項目に沿って記述可能であることは明らかであり、量的な分析は十分可能であると考えられる。また、ユマニチュード以外の介護手法については、これまでにさまざまな評価手法が開発されてきている。従って、今後はユマニチュードが被介護者の行動心理的な問題行動に及ぼす効果を量的に検討することは十分可能であり、そのような研究方法の開発が必須であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍でユマニチュードの効果を量的に評価するための実験的研究が実施できないため、文献調査に依存している段階であり、やや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ユマニチュードの効果をオンライン等で量的に評価するための研究方法を開発する予定である。そのような手法が開発されれば、ユマニチュードをオペラント行動として定義し、その効果を量的に評価することが可能になる予定である。
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Causes of Carryover |
本年度はユマニチュードの効果を評価する文献調査研究に終始したため、次年度使用額が生じた。これらの額が次年度の評価研究で使用する消耗品に使用される予定である。
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